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「その1」では「よくある質問への短答(FAQ) 一般編」の概要を紹介しましたが、今回第2弾の「その2」では「MAP菌が人間にもクローン病を発症させている可能性」の概要を紹介します。 ヨーネ病とMAP菌とクローン病の関係については、わたくしのこのホームページ(HP)の ◆CD発症にMAP菌は関与しているのか 2005-10-19 ◆ドイツのCD患者の52%からMAP菌検出 2005-10-19 ◆サルディニアのCD患者の83%からMAP菌検出 2005-10-19 ◆MAP菌が動物に起こすヨーネ病とは?その1 2005-11-25 にて取り上げましたので、それらも参考にしてください。 MAP菌が主に反芻動物に起こす細菌感染症である「ヨーネ病」は人間のクローン病と特徴が似ているということで、現在多くの専門医がこの菌がクローン病の発症に関わっているのではないかということを強く疑っています。 ヨーネ病とMAP菌について獣医学の見地から詳しくまとめられた興味深いHP、 JOHNE'S INFORMATION CENTER (英語) を見つけましたので、膨大なそのHPの全貌を何回かに分けて皆さんに少しずつ紹介していっています。 「MAP菌」は略称で、フルネームは 「マイコバクテリウム・アヴィウム・パラチュバキュローシス」 (Mycobacterium avium paratuberculosis) です。 下記ページは英語で書かれていますが、写真が豊富ですので、是非そこにアクセスして、それらの画像を参考にしながらこの記事を読んでいってください。 _____________ 『(MAP菌感染症が)人畜共通感染症である可能性 - 複雑で議論を呼ぶ問題:MAP菌は人間に感染し病気を引き起こすのか』(英語) 序 このページでは、この問題の概要とより詳しい情報源の紹介だけにとどめたそうです。このサイトの著者は獣医学の専門家であって、人間の消化管の専門家ではありませんので、それもそうです。 序論 クローン病の原因はまだよく判っていないが、多くの学者は、免疫、遺伝子、食事の内容、菌やウイルスなどが関係していると見ているとしています。 ちなみに、そのほかに、「(工業の発達によって身の回りにあふれるようになった様々な)化学物質の影響」なども複雑に関与しているだろうということが言われています。 クローン病とヨーネ病が臨床的、病理学的に似ていることは1913年には指摘されていたそうです。第一次世界大戦前夜の頃のことです。ところが、技術的なものがまだ発達していなかったためにMAP菌がクローン病の病因として同定されることは無く、クローン病のMAP菌関与説は、長い間、日陰に置かれたそうです。近年になってやっと検出技術がハイテクノロジー化し、患者から高率にMAP菌が検出されたとの論文がいくつか出てくるようになり、この説は再び脚光を浴びるようになってきたようです。 クローン病の臨床的兆候 下痢と体重減少がヨーネ病とクローン病に共通に見られる主な兆候だそうです。腹痛はクローン病ではよく見られるが、ヨーネ病では、動物は「おなかが痛い」と喋らないので推測ではあるけれども、牛においては見られないようだが、動物種によっては見られるようなのだそうです。発熱は、クローン病では見られるが、ヨーネ病では、普通、見られないそうです。 病理学的見地 (注:病理学=病気の原因を探求する学問) 人間のクローン病の病変部の写真と動物のヨーネ病の病変部の写真。クローン病のほうが溝が深いが、見た目が互いによく似ています。 ▽▽▽▽▽▽ ここから内容がちょっとマニアック ▽▽▽▽▽▽ 人間のクローン病は主に回腸(=小腸の後半部分)に病変が見られるのが特徴だそうです。組織を顕微鏡で覗いて「びまん性肉芽腫性炎症」が観察されればクローン病であるとの確証となるそうで、マクロファージを始め、多核巨細胞、好中球、好酸球などの免疫細胞の集まりが見られるそうです。患者の腸壁組織のサンプルの3分の2にこれが見られるそうです。また、リンパ球の集合を伴った炎症が腸壁の全層にわたることが特徴だそうです。「アフタ」と呼ばれる点状の潰瘍性炎症がクローン病病変の最初の状態とされ、これは「M細胞」という腸壁の特殊な細胞が何らかの抗原や微生物を取り込んだ状態だと、現在、言われているそうです。 次に、動物のウシにおいてですが、ヨーネ病では病変は回腸から始まり、そこから消化管の上下流に広がっていく傾向があるそうです。病変は、M細胞を含んだ「パイエル板」という小腸壁上の組織がMAP菌を取り込むことによって始まるとされているようです。炎症は腸壁の全層に及び、組織を顕微鏡で見ると巨細胞を伴った「非乾酪性肉芽腫性炎症」が見られることが特徴だそうです。炎症は腸壁を肥厚させるそうです。潰瘍はふつう見られないそうで、これはクローン病と異なる所です。 ほかの動物では、上記とは少し異なる場合があるそうです。たとえば、ヒツジでは、腸壁の肥厚はそれほど著しくは無いそうです。シカやヘラジカでは、「乾酪性肉芽腫性炎症」が見られるそうで、結核と見分けが付きにくいそうです。 △△△△△△ ここまで内容がちょっとマニアック △△△△△△ 疫学的見地 (注:疫学=流行性の伝染病について研究する学問) 病気が最初に文献に現れるのは、ヨーネ病は1895年、クローン病はその18年後の1913年だそうです。クローン病は近代化された地域に多いそうです。特に北欧のスカンジナビア半島に患者が多いそうです。ちなみに、酪農が盛んであることが知られている地域です。クローン病は15~24歳ころに発症することが多いそうです。 表示されているグラフ(デンマークの国旗があるグラフ)はデンマークでの1962~1987年のクローン病の発症率(対10万人)です。日本での発症率は男性は女性の約2倍ですが、デンマークでは女性のほうがわずかに高いようです。 ちなみに、日本では男性のほうが発症率が高いことについて、原因の一つとして、男性のほうが喫煙率が高いからではないかということが言われているようです。 ヨーネ病は、酪農が行なわれていて、かつ、病気を検査する設備が整っているような全ての国において確認されているそうです。USAでは乳牛の約3~10%がMAP菌に感染しているそうです。” USDA-NAHMS Dairy '96 survey”というプロジェクト名の調査結果によりますと、MAP菌に感染した乳牛が群れの中に10%以上いる頻度は22%であるとしています。とにかく、MAP菌感染は家畜の間に急速に広まっていることは確かなようです。 ヨーネ病においては、MAP菌への感染から発病までに2~10年の潜伏期間があるそうです。ヨーネ病もクローン病も性的成熟以前に症状が見られることは少ないそうです。つまりは、クローン病は幼少期にMAP菌への感染が起こり潜伏期を経てから発症しているという可能性も想定できるということのようです。 不思議なことに、26ヵ国のデータを調べた結果、クローン病の発症率が高い国では胃がんの発症率は低く、クローン病の発症率が低い国では胃がんの発症率が高いという結果が出ているそうです。 表示されているグラフ(各国を赤で点打ちしてあるグラフ)からは明らかな反比例関係が読み取れます。ちなみに、日本は一番右に点打ちされています。つまり、胃がんは多いがクローン病は少ないということのようです。 家畜に触れる機会が少ない都市部に住む人と、酪農が比較的盛んな田園地帯に住む人の間にクローン病の発症率の違いはあるのかについては、まだ詳細には研究されていないそうです。 日本ではそういった例はかなり少数ですが、欧米では家族の中に複数のクローン病患者がいる頻度が結構高いそうです。スウェーデンとデンマークでの或る研究では、クローン病患者と一等親関係にある人、つまり親子関係である人が自らもクローン病を発症する確率はそうでない人の10~21倍だったそうです。 このような現象は、クローン病の発症に遺伝的なものが関わっているかもしれないという証拠になるかもしれませんが、一方で、家族の中で同じ感染症が広がった結果だと見ることもできるということです。 カナダでの或る研究では、家族の中で子供がクローン病である場合、父側よりも母側が同じくクローン病である確率のほうが高かったそうです。つまり母乳を通じての親子感染の可能性も言えない事は無いということです。クローン病の女性の母乳からMAP菌が検出されたという研究結果がUSAのフロリダの研究グループによって2000年5月に発表されているそうです。 ヨーネ病は、かつては、反芻動物の病気だと思われていましたが、UKのスコットランドの研究によりますと、ウサギ、キツネ、オコジョ、イタチ、ネズミ、ハタネズミからMAP菌がみつかっているそうです。これらは家畜から伝染したと見られているそうです。また、ベニガオザル(=ニホンザルと同じ属のサル)やマンドリルなどの霊長類への感染が報告されているそうです。人間ももちろん霊長類に属しますから、これは人間への感染の可能性を裏付けるものかもしれません。 診断 ◆組織病理学的診断 (注:組織病理学=患者から採った組織を顕微鏡で覗いて病気を診断することについての学問) クローン病患者の病変部の組織を「ツィール・ネールゼン染色法」という手法で染色して顕微鏡で観察してもMAP菌の存在は確認されないそうです。この染色法は結核菌やMAP菌を染色するための方法です。この染色法でMAP菌の存在が確認されないという事実は「クローン病MAP菌非関与説」をとる学者の論拠となっているようです。 ただ、MAP菌は人間の組織内ではこういった染色的探査法や免疫細胞によって見つからないような特殊な形態に変身していることがわかっているようです。 ◆微生物学的診断 初めてクローン病の患者からMAP菌を培養・分離することに成功したのはChiodiniらの研究グループで、1984年のことだそうです。しかし、それ以後、様々な研究グループが培養法でMAP菌を検出しようとしたが結果はまちまちだったそうです。 ▽▽▽▽▽▽ ここから内容がちょっとマニアック ▽▽▽▽▽▽ ◆分子学的診断 クローン病患者より切除された組織から「IS900-PCR探査法」という方法でMAP菌のDNAを検出する方法は培養法より高頻度でMAP菌を検出しているそうです。MAP菌のDNAが見付かったからと言って患者の体内に生きたMAP菌が居るということにはならないのですが、これらの結果はMAP菌とクローン病の関係を暗示させるとしています。 記事には、上記の手法によって今までに様々な研究グループが行なった10の検出結果が一覧の形で表示されています。10の研究結果のうち7つで、ほかの病気の人と比べてクローン病の患者から明らかに高い確率でMAP菌が検出されているようです。 ◆血清学的診断 (注:血清=血液を凝固させると上部に分離してくる淡黄色透明の液体部分のこと。ちなみに、抗体はこの層に含まれている。) 1980年代に行なわれたクローン病患者の血清中のMAP菌に対する抗体の検出試験の結果は肯定的だったとか否定的だったとか一貫していなかったそうですが、最近の研究では、MAP菌とクローン病の関連を肯定するような結果が出ているそうです。血清学的検査で動物からMAP菌を検出する方法は1990年代後半に手法が劇的に進化し、幾組かの研究グループが明らかな関連性を見出したそうです。 Collinsらの研究グループは2000年12月、ウシ用のELISA法MAP菌検出市販キットを用いてUSAのクローン患者の13.4%、健康者の2.6%からMAP菌を検出したそうです。この実験結果の数字の差が偶然生じたものであることは統計学的に有り得ないという結論を得たそうです。 ◆細胞免疫検査法的診断 試験参加者の血液から分離した免疫細胞にMAP菌の処理物を反応させて、その免疫細胞がインターフェロン・ガンマという物質を出すかどうかでMAP菌への感染を検出する方法による検出実験の結果が今までにCollinsらによって1つだけ2000年に報告されているそうで、MAP菌とクローン病患者に関連性があるとの結果が出たそうです。 △△△△△△ ここまで内容がちょっとマニアック △△△△△△ 治療への反応 クローン病患者に対して抗菌剤(抗生物質)でもってMAP菌の除菌を試みた臨床試験はまだ数が少ないそうです。一昔前の臨床試験では有効との結果は出なかったそうですが、最近の臨床試験では、投与する薬剤が変えられ投与期間も長くされた結果、良い結果も出ているようで、クローン病発症にMAP菌が関与しているという説への追い風となっているようです。 ◆Shafferらの研究グループが1984年に発表した臨床試験の結果 14人のクローン病患者に抗菌剤のrifampicinとethambutolを12ヵ月間投与した結果、誰にも効果は無かったそうです。この2つの薬剤はMAP菌と同じマイコバクテリウム属である結核菌に対する抗菌剤として使用されているものだそうです。この臨床試験は「この2剤はMAP菌に対しても効果がある」という仮定のもとに実施されたようです。ところが、この記事によりますと、結核菌に対する抗菌剤はMAP菌に対しては効果が無いことが判っているそうです。 ◆Grahamらの研究グループが1995年に発表した臨床試験の結果 15人のクローン病患者に抗菌剤clarithromycinを6ヵ月間投与した結果、うち8人に1年以上の緩解が見られたそうです。 ◆Guiらの研究グループが1997年に発表した臨床試験の結果 抗菌剤のrifabutinと、マクロライド系の抗菌剤のclarithromycinとazithromycinのうちのどちらか一つを18ヶ月以上クローン病患者に投与した結果、46人のうち93%以上が臨床的緩解に至ったそうです。 記事は、更なる臨床試験の実施が必要であると結論しています。 動物へのMAP菌投与試験 クローン病患者から分離・培養されたMAP菌を動物に投与してみてMAP菌がその動物に感染するかどうかという試験が今までに2つ報告されているそうです。 1986年の報告では、MAP菌を子ヤギに口から投与したところ、感染が認められたそうです。1991年の報告では、MAP菌をニワトリに複数の経路から投与したところ、感染が認められたそうです。両方とも、クローン病ではなくヨーネ病を発症したそうです。 記事は、更なる試験が必要であると結論しています。 逆の、動物から得られたMAP菌を人間に投与してみてクローン病が発症するかという臨床試験は、もしこれで発症が見られればMAP菌の関与がかなり決定的となってきますが、倫理的見地から行なわれることは無いと思います。唯一可能なパターンは、研究の中心となっている研究者が自らの責任で自らにMAP菌を投与してみるという場合だけになると思います。慢性胃・十二指腸潰瘍の病変部からヘリコバクター・ピロリ菌を発見して根本治療につなげたオーストラリアのマーシャル、ウォーレン両氏が2005年ノーベル賞医学生理学賞を獲りましたが、両人のどちらであったかは忘れましたが、自らピロリ菌を飲んで潰瘍の発症を確認したそうです。患者さんは彼らに非常に感謝し、敬意を表していると思います。 まとめ いつどのように人間に感染しているのかは依然としてはっきりとしないものの、MAP菌感染症が人畜共通である可能性はかなり高いとしています。 役に立ったリンク 3つのリンク先が紹介されています。 参考文献 総合的ではないが、代表的なものを80ほど挙げてあるそうです。発表年が新しい順に表示してあるそうです。 _____________ 以上が、サイトマップに表示されているだけでも100近いページからなる膨大なHPの或る1ページの概要です。 ほかのページにつきましても、クローン病と関連があると思われるページにつきましては、1ページずつだと思いますが、おいおい皆さんに紹介していきたいと思います。
by pascor
| 2005-12-03 10:59
| クローン病
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Comments(2)
Commented
by
kuni
at 2005-12-03 11:48
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はじめまして。
CDと10数年つきあってるkuniと言います。 いや~、こんな有益なページがあるとは驚きです。 それに文章も読みやすくて、理解しやすい! ちょくちょく、のぞきに来たいと思いますので、更新の方、がんばってください。
Commented
by
草はみ
at 2005-12-05 11:27
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kuniさん、ようこそ!
医療講演会とかに参加した患者さんに終了後本音のところを聞いてみると、「実は、難しくて、講演内容の2~3割くらいしか理解できませんでした。」といった返事がかえってくることが多いようです。だから、解かりやすい内容にしないと徒労に終わる可能性があるということを常に頭においてこのブログを作成しています。専門用語や専門的言い回しをずらずらと並べて作成すれば実は楽なのですが、手間をかけて理解しやすい文章に仕立てています。「ちょっとマニアック」の部分はどんどん飛ばして読んでいってください。 情報がkuniさんのお役に立てば幸いです。
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