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過敏性腸症候群(IBS)は炎症性腸疾患(IBD)、つまり潰瘍性大腸炎(UC)およびクローン病(CD)と症状に似た点があるのですが違う病気です。ややこしいことに、IBDの患者がIBSも併発していることがよくあるそうです。内視鏡で観察しても既に異常はみられなくなっているのに下痢や腹痛が続く場合はこの過敏性腸症候群による症状である可能性があるそうです。IBSとIBDの判別をきちっとつけないと必要の無い投薬によって更に長期間薬の副作用にさらされることにもなりかねません。 たいへん大規模なIBD患者団体であるUSAのCCFAが最近公開した記事やその他の文献を参考にしながら過敏性腸症候群についての概要と炎症性腸疾患との違いを紹介していきたいと思います。 【記事作成の参考としたもの】 "IBS and IBD: Two Very Different Disorders" (英語) 『過敏性腸症候群と炎症性腸疾患: 2つのとても違った疾患』 October 6, 2005. by CCFA 治療が功を奏して炎症性腸疾患(IBD)はもうおさまったのに過敏性腸症候群(IBS)の症状がまだある場合、その症状をIBDのものだと間違って判断してしまいIBDに対する治療を続けてしまうことによって無駄に治療薬の副作用にさらされてしまう例が時にあるようです。例えば、炎症はもう無いのに下痢や腹痛がある場合、また、炎症からではなく単なる便の摩擦による痔からの出血がある場合、炎症がまだ存在するものと間違って判断して更にステロイド剤を使ってしまうというような事例が有るようです。ステロイド剤は傷の治りを遅くしてしまう特性がありますから、この場合、痔の治癒は遅れるしステロイド剤に無駄に長くさらされて副作用のリスクは上がるしというような事が起こります。 過敏性腸症候群と炎症性腸疾患は症状に似た点が多いので紛らわしいですが、上記のような例を避けるためにも両者の正確な判別が必要です。 炎症性腸疾患(IBD)と異なる点は? ◇過敏性腸症候群(IBS)においては内視鏡検査をしても消化管に炎症は見られない。 ◇IBSにおいては血便、粘血便は見られない。 ◇IBSに対しては外科手術の実施やステロイド剤・免疫抑制剤などの強い薬剤の使用が必要となることはない。 ◇炎症性腸疾患においては腸の病変部や合併症の発症部位に消えることのない痕跡が残ることがあるが、IBSではそのようなことはない。 ◇IBSでは大腸がんのリスクが高くなることはない。 ◇IBSはIBDと比べて身体的に深刻な疾患ではない。しかし、QOLを著しく低下させ社会生活に大きく支障を与えることがある。 過敏性腸症候群(IBS)の症状は? IBSの基本的な症状として、 ◇腹痛 ◇腹部の不快感 ◇下痢(血便、粘血便は伴わない) ◇便秘 ◇下痢と便秘の繰り返し などが挙げられ、それらはすべて慢性に経過するのだそうです。 また、IBSのその他の症状として、 ◇便についてくる粘液の増加 ◇ガスの増加 ◇腹部膨満感 ◇吐き気 ◇渋り腹 (=強烈に便が出そうでトイレに行くが、がんばってもほとんど何も出ず、 トイレから戻るがすぐまた行きたくなるということを繰り返す症状。) などがあり、 更にIBSの合併症として、 ◇線維筋痛(せんいきんつう) (=検査をしても異常がみつからない関節痛や筋肉痛を主とした症候群。) ◇慢性疲労症候群 (=原因不明の著しい疲労感や倦怠感を呈する慢性症候群。社会生活に 支障をきたすことがある。筋肉痛などを伴うこともある。) ◇慢性の骨盤痛 ◇顎関節症(がくかんせつしょう) (=あごの関節が痛んだり、動かなくなったりする症状。) などが挙げられるそうです。 過敏性腸症候群の症状の現われ方の特徴は? 精神的ストレスがかかったり食べ過ぎたりしたときに起こりやすいそうです。排便があったあとには症状から一時的に開放されたりすることがあるそうです。症状はほとんど目覚めている時に起こり、寝ているあいだに症状によって目覚めることは稀だそうです。 過敏性腸症候群はどのような人に起こりやすいのか? USAでは成人人口の10~20%がIBSにかかっていると見られているそうです。女性に多いそうです。様々なストレスにさらされ、それらが溜まってしまいやすい世代に多いそうです。 過敏性腸症候群の診断方法は? ◇腹痛や腹部不快感が長期にわたっていないか? ◇排便によってそれらが収まることはあるか? ◇便の回数や便の形状は? などが問診によって調べられて、それでIBSの疑いがある場合に更に血液検査、便検査、内視鏡検査、X線検査、心理テストなどによってIBS以外の疾患ではないかが調べられ、最終的に消去法的にIBSであるとの診断がつけられるそうです。 過敏性腸症候群の原因は? かつては「精神的ストレスが原因だ」と言われていたようですが、現在では「ストレスが症状を悪化させることは確かだが、脳と腸の間の相互作用に障害が起こることによって発症する」とされているようです。 ▽▽▽▽▽▽ ここから内容がちょっとマニアック ▽▽▽▽▽▽ 生物発生学的に見て、つまり生物進化の過程において、脳はもともと腸神経叢(そう)の一部だったそうです。つまり、脳は腸神経叢から発達して器官となり、そして場所を次第に頭部に移動していったと考えられているそうです。確かに、原始的な生物では、消化管に比較的しっかりした神経叢はあるけれど頭部には脳といえるようなものはなかったりするようです。脳が腸神経叢の出身だという証拠に、脳と腸神経叢にだけしか作用しないホルモンが幾つも発見されたりしているようです。 △△△△△△ ここまで内容がちょっとマニアック △△△△△△ 脳と腸神経叢は昔馴染みであり、今でも関係を保っているので、脳がストレスにさらされると腸神経叢もそれに付き合って調子を崩すのではないかと言われているそうです。 「脳の悩み=腸の不調」ということのようです。 過敏性腸症候群の治療法は? 発症のメカニズムがはっきりとしていないので、対症療法、つまり発症の根本に対してではなく表に出ている症状に対しての治療が主だそうです。 治療薬としては、消化管運動機能改善薬、抗不安剤、抗うつ剤などが有効なことがあるそうです。 まずはIBSについて学ぶことが重要であり、軽症な例では食事の内容を変えストレスに対処することで良くなる事があるそうです。重症な例では下痢や腸けいれんに対する薬が有効な事もあるそうですが、それらが全員に対して有効なわけではないそうです。いずれにしてもゆっくりと揉みほぐすように症状を和らげていく事が必要なようです。 最後に IBSはIBDと違って多くの人が経験する病気であるために、仕事上比較的ストレスが多いとされる医師の中にも若手時代にIBSを経験したことがある先生が少なからず居ると思われます。そのような先生にIBSを診ていただければラッキーかもしれません。 【脚注】 IBS = Irritable Bowel Syndrome IBD = Inflammatory Bowel Disease 【そのほかに記事作成の参考としたもの】 ◆『メルクマニュアル医学百科 最新家庭版』, 日経BP社, 2004年 ◆『TECNICAL TERM 消化管』,2002,編者:荒川哲男・菅野健太郎・吉川敏一 ◆各種医学大辞典
by pascor
| 2005-11-18 19:49
| 両疾患共通
|
Comments(4)
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アナログ
at 2016-07-12 01:13
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この記事とても興味深く勉強になります。いつも有難うございます。
さて、お陰様で大腸の調子は概ね落ち着いてるのですが、体調がおもわしくありません。20年以上続く慢性疲労症候群の様な症状が悪化してきて苦しんでおります。まったく私の体はモグラ叩きの様でして、あちらを叩けばこちらが顔を出すといった感じで、いい加減イヤになります。(ToT)(笑) ところで、この記事の中でIBSの合併症として慢性疲労症候群が指摘されてますが、普通に考えれば潰瘍性大腸炎の合併症だと思うのですが。(あるいはその逆?)何故なら、脳が腸の一部が進化したものならば、大腸に炎症が生じる潰瘍性大腸炎と脳の広範囲に炎症が生じる慢性疲労症候群は、極めて近い関係にあると考えるのが自然ではないでしょうか?
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アナログ
at 2016-07-12 01:41
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もちろん、過敏性腸症候群によって変な信号が常に脳に送られ続けた結果、脳が混乱して炎症が生じ慢性疲労症候群を発症するとも考えられますが。
しかし、便移植(あっ?ち、違った‼健全フローラ腸注療法でした‼)(笑)が、慢性疲労症候群に対しても臨床試験が行われてる事を考えれば、両疾患の根源は腸内フローラの異常かも知れません。まずは、腸内フローラの異常があり、そこから免疫異常が生じるのではないかと思いますがいかがでしょうか?フソバクやMAP菌の感染も腸内フローラの貧困化が根本あるとも考えられます。 また、IBDを悪化させるオメガ6系脂肪酸ですが、6割が油でできてる脳にはより直接的に悪影響を与えそうです。マーガリンなどのトランス脂肪酸が両疾患に大きく影響してそうです。欧米と違って日本では規制が進んでないので、将来的には患者数が逆転してしまう可能性さえ頭をよぎります‼
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アナログ
at 2016-07-13 01:44
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追記。アメリカコーネル大学の研究によると健常者と比較して、慢性疲労症候群患者の腸内フローラは多様性が極端に少なく、坑炎症作用をもつ微生物も少ないという特徴があるそうです。そしてこれは多くのIBD患者にも見られる様です。
腸内フローラの多様性が乏しい事がこれら両疾患の原因の1つならば、炎症性腸疾患の爆発的増加の背景には、安易な抗生剤の乱用が考えられます。例えば、大半がウイルス感染である風邪に、ウイルスには効かない抗生剤を取り敢えずで処方するような問題があります。 炎症性腸疾患と慢性疲労症候群は人間が産み出した病かも知れません。
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草はみ
at 2016-07-16 01:26
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アナログさん
慢性疲労症候群に関しましては、ヘルペスウイルスが発症に関与しているタイプと、リーキーガット症候群が関与しているタイプがあるような印象を持ちます。(ほかにもタイプがあるかも知れません)。 慢性疲労症候群には、脳で軽い炎症が発生しているタイプがある事が最近分かって来たようです。神経細胞に寄生したヘルペスウイルスへの攻撃が強すぎる免疫細胞を持つタイプの人かも知れません。患者の唾液を検査してみると、ヘルペスウイルスのDNAは増加しているが、ヘルペスウイルスの本体の数は減っているようだという結果がある事から、ヘルペスウイルスを免疫細胞がせっせと攻撃している可能性があると思います。 Leaky gutというのは、腸壁のバリア機能が弱くて、腸(gut)の中にいる細菌、ウイルス、カビ菌、有害な化学物質などが腸壁から漏れやすく(leaky)、血管の血液の中に大量に入ってしまう事を指します。バリア機能が弱くなってしまう原因の一つとして、腸内細菌のバリエーションの乏しさがあげられています。また、つい先ほど入った情報ですが、ひょっとすると人工甘味料が関与している可能性もあると思います。
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