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【作用のメカニズム】 インターロイキン10(IL10)は体の中で「炎症反応を抑えなさい」という信号を伝達する働きをしている物質なのですが、このIL10の設計図DNAを乳酸菌であるLactococcus lactisに遺伝子工学的に組み込み、その乳酸菌に患者の腸粘膜でIL10を分泌させ、炎症を抑制するという戦略の医薬のようです。 【開発コード】 AG011 【海外での商品名】 ActoBiotic 【薬剤の系統】 ヒトインターロイキン10産生・遺伝子組み替え乳酸菌 【現在の開発者】 治験実施: ActoGeniX社 乳酸菌作成: SynCo社 【開発の段階】 潰瘍性大腸炎に対して海外で2008年の後半に第2相治験を開始する予定。 クローン病に対して海外で2009年の前半に第2相治験を開始する予定。 【投与形態】 経口(=口から飲む) 【既に認可を得ている適応】 なし 【ほかに治験が実施されている疾患】 なし 【副作用】 不明 【詳細】 いろいろな種類がある白血球(=免疫細胞)の中には、「敵の鎮圧をほぼ完了したので戦闘を休止せよ」(大阪の言葉で言えば「よっしゃ、今回はこれくらいにしといたろか」)という信号を発する役目の細胞も存在するのですが、その命令を周囲に伝えるための手段の1つとしてその細胞は炎症抑制性サイトカインと呼ばれるタンパク質を周囲に分泌します。つまり、ちょうど、狼煙(のろし)をあげるようなものです。 潰瘍性大腸炎やクローン病ではこの戦闘停止命令がうまく働いていないために無意味に慢性の炎症が継続し、腸壁の損傷に到っているのではないかという説があり、炎症を抑制する働きのある信号物質を人工合成して投与してみるという試験が盛んに行なわれています。 こうした炎症抑制性サイトカインの1つとしてインターロイキン10(IL10)があり、体内で重要な役割をする物質であると考えられているようです。 このインターロイキン10はタンパク質であるため、口から飲んだのでは消化管の中で消化されてしまうので静脈から点滴で注入しなければならないのですが、それでは腸壁には限られた量しか届かず、血中からの消失も早く、しかも腸以外の全身に行き届いてしまうために、効果が薄く副作用が出やすいという欠点があったそうです。 そこで、このインターロイキン10を分泌する乳酸菌を遺伝子操作技術を使って人工的に作成し、飲み薬として患者の口から投与し、患者の腸壁でこの乳酸菌にインターロイキン10を分泌させるというのがこのActoBioticです。 ところで、このヒトインターロイキン10産生遺伝子組み替え乳酸菌に関しては、もちろん生きた状態のものを患者に投与し、患者の腸には生きて届き、生きたまま排泄されるのだと思いますが、ということは、治療とは関係がない周りの人にもこの乳酸菌が移行してしまう可能性が有るということだと思います。健康な人の腸にこの乳酸菌が入って定着してしまった場合、分泌されたインターロイキン10によって本来必要な炎症反応が起こらない状態、つまり免疫不全の状態になってしまうという可能性もあると思います。そのあたりの危険性も十分検討されるべきだと思います。 【主な情報源】 ActoGeniX社のページ: AG011 for Inflammatory Bowel Disease (英語) SynCo completes production of AG011 for Ph II trials (英語) 2008年7月1日追記: インターロイキン10産生遺伝子組み替え乳酸菌によるクローン病の治療の仕組みをCGアニメーションで説明している動画をYouTubeで見付けました。 YouTube - VIB animation: Crohn's disease (英語) 前半は、クローン病の発病の過程であるとされている仮説の1つを説明しています。原因となっている何らかの細菌(青い落花生のような物体)が腸上皮細胞(頭頂部に栄養吸収のための毛のようなものが生えた物体)の組織の中に侵入し、見張りをしている白血球である樹状細胞(何本か足のようなものが出たジャガイモのような物体)に丸呑みにされ、樹状細胞は有害物であるかどうかを判定する白血球であるTリンパ球(黄色いコンペイ糖のような物体)に接触して侵入者がいたことを伝え、有害物であると判定したTリンパ球は増殖して数を増やしてその侵入細菌を殺して回るが、クローン病ではTリンパ球が過剰に活動的になっているために腸上皮細胞までもを次々と殺してしまい、防衛ラインとしても働いている腸上皮細胞組織を壊して穴を開けてしまうという事態になり、クローン病の発症に到ってしまっているとの仮説です。 そこで、治療として腸で開裂する仕組みのカプセルに入ったインターロイキン10(画像中では”IL10”の短縮形で使われていて、「アイ・エル・テン」と発音されています)産生遺伝子組み替え乳酸菌(丸い玉のような物体)を投与すると、その乳酸菌は腸壁組織においてインターロイキン10(緑色の物体)を産生し、そのインターロイキン10を受け取ったTリンパ球はおとなしくなって攻撃をやめ、腸上皮細胞組織が回復していくというシナリオです。
by pascor
| 2008-06-12 22:27
| 新薬開発状況
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