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カナダとUSAの研究者からなる研究グループがクローン病の発症に関わっている可能性が高い遺伝子変異を5つも発見したそうです。今回新たにクローン病との関連が疑われる変異がみつかった遺伝子は、「ATG16L1」、「PHOX2B」、「NCF4」、「FAM92B(染色体16q24.1上のどこかにある遺伝子)」、「染色体10q21.1上の遺伝子間領域」の5つだそうです。 また、既に発症への関連が強く疑われている2つの遺伝子「CARD15(NOD2)」、「IL23R」の変異に関しても、今回の研究でクローン病患者に多くみられることが重ねて確認されたそうです。 今回の発見は遺伝子関連専門雑誌『Nature genetics』に掲載されたそうです。 残念ながら論文の本文をまだ手に入れていませんので、インターネット上に流れている報道記事をもとにこの研究の概要の速報を皆さんにお知らせしたいと思います。本文を手に入れましたら改めて詳細を皆さんにお知らせする予定です。 Rioux氏率いるカナダとUSAの研究者25人からなる研究チームは、小腸型クローン病患者約1000人、クローン病を持たない人約1000人の遺伝子の変異を調べたそうです。そして更に、全く別に新たに参加者を募集して同じ内容で同じ参加人数規模の追加治験を2回実施したそうです。結局、計約6000人を対象とした治験だったそうです。 ヒトの持つ約2万2千の遺伝子(=タンパク質の設計図)上に計約30万パターンの遺伝子変異が現在明らかになっているそうなのですが、その約30万全てについて被験者が持っているか持っていないかを調べたそうです。これが可能になったのも、「ヒトゲノムプロジェクト」によって人間のDNA情報全てが書き出されたことと、HapMapプロジェクトによって多くの遺伝子変異パターンが明らかになったことのおかげだと著者は言っています。 今回新たにクローン病患者に変異所持者が多いことが判明した遺伝子は、「ATG16L1」、「PHOX2B」、「NCF4」、「FAM92B(染色体16q24.1上のどこかにある遺伝子)」、「染色体10q21.1上の遺伝子間領域」の5つだそうです。 ATG16L1は細胞内の不要老廃物や細胞内への侵入微生物を分解する「自食作用(autophagy)」に関連する遺伝子だそうで、この遺伝子に異常があると細胞の中に老廃物が溜まったり、細胞内に侵入してきた細菌などを排除できなくなったりする可能性があるそうです。 研究チームは、腸管の内側をすき間なく内張りしている腸管上皮細胞においてATG16L1遺伝子が働いていることを確認したそうです。また、このATG16L1の働きをRNA干渉という手法で妨害してみたところ、自食作用の機能低下が観察されたそうです。 PHOX2Bは腸管壁の神経内分泌関連細胞の活動に関わる遺伝子だそうで、クローン病患者にこの遺伝子の異常が見付かったということは、クローン病発症に神経内分泌機構の異常が関わっている可能性があるかもしれないということだそうです。 NCF4は細胞が細菌などに対する攻撃の際に化学兵器として分泌する活性酸素の産生に関連する遺伝子だそうで、この遺伝子に異常があると細菌への抵抗力が弱くなる可能性が出てくると思います。 「FAM92B(染色体16q24.1上のどこかにある遺伝子)」、「染色体10q21.1上の遺伝子間領域」の変異については、どうやら、染色体の大体どのあたりにあるかということまではわかったようなのですが、どの遺伝子なのかを正確に特定するまでには到らなかったようです。 クローン病患者に変異所持者が多いことがこの治験以前に知られていた遺伝子、「CARD15(NOD2)」、「IL23R」は、発症への関与が疑いのないものと医学界では認識されるようになってきたようですが、今回の治験でクローン病患者にこれらの遺伝子の変異が多くみられることが改めて確認されたそうです。 CARD15(NOD2)は細胞内への細菌の侵入を検知して炎症反応を誘起する仕組みに関連する遺伝子なのですが、この遺伝子に異常があると細胞内に侵入した細菌を排除できなくなる可能性があるとされています。 IL23Rはインタールーキン23というサイトカイン(免疫細胞間情報伝達物質)の認識のためのタンパク質(レセプター)で、この遺伝子に異常があると腸内細菌が腸壁粘膜へ侵入するを許してしまう可能性があるそうです。 何らかの細菌が腸壁のバリアーを突破し、更に、その細菌が腸壁細胞の中へエイリアンのように侵入することがクローン病の発症に関わっていることはかなり確実となってきたようです。今回の研究は遺伝子解析の分野からもそれを裏付けるものと言えそうです。遺伝子の変異の研究がクローン病の発症原因の究明と新しい治療法出現への足がかりとなることが期待されます。 なお、 クローン病は遺伝子の変異のみが発症の原因である疾患ではないとされています。 腸内にいる細菌や環境要因や食物要因なども深く関与しているとされます。その証拠として、関連遺伝子の変異は大昔から保持者がいたはずですが、クローン病は近代になってから発症者が出現し、患者数が増えたのはごく最近であるという事実があげられます。 【主な情報源】 ◆研究チームのリーダーの所属するモントリオール大学のフォーラムページ: Universite de Montreal - Journal Forum - 23 avril 2007 - Decouverte de trois genes de predisposition a la maladie de Crohn (フランス語) http://www.iforum.umontreal.ca/Forum/2006-2007/20070423/r_3.html ◆April 15, 2007 Research team identifies additional genetic risk factors for Crohn's disease (英語) http://www.massgeneral.org/news/releases/041507daly.html ◆論文の要約: Genome-wide association study identifies new susceptibility loci for Crohn disease and implicates autophagy in disease pathogenesis - Nature Genetics (英語) http://www.nature.com/ng/journal/vaop/ncurrent/abs/ng2032.html ◆ドイツの患者団体DCCVのHPの最新情報のページ: Deutsche Morbus Crohn / Colitis ulcerosa Vereinigung e.V.: Neue Gene mit Zusammenhang zu Morbus Crohn entdeckt (ドイツ語) http://www.dccv.de/aktuelles/news/singleview/article/1241/285/ ◆USAの患者団体CCFAのHPの最新情報のページ: CCFA.org: Crohn's disease has strong genetic link: study (英語) http://www.ccfa.org/reuters/geneticlink ◆Deutsches Arzteblatt: Nachrichten "Genomweite Suche spurt neue Gene fur den Morbus Crohn auf" (ドイツ語) http://www.aerzteblatt.de/v4/news/news.asp?id=28163
by pascor
| 2007-05-17 00:32
| クローン病
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Comments(2)
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朝食ヨーグルト
at 2007-05-17 23:53
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こんばんは いろいろ事実が明らかになってきていますね
北海道大学でもピロリ菌が起こす胃がんのメカニズムが解明されてましたね 個人的には、クローンはヨーネ病をおこすMAP菌が最有力候補だと思っています 狂牛病のプリオンたんぱく質と同様に、ヨーネ病に感染した乳製品なり肉牛なりを食した人がクローン病になったのではと考えています
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草はみ
at 2007-05-19 11:15
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朝食ヨーグルトさん、こんにちは。
MAP菌がクローン病の主な発症原因として怪しいことは確かだと思います。遺伝子解析の技術が近年飛躍的に進化したので、MAP菌をあちこちから採取してDNAの塩基配列の内容を比較すれば患者への感染源が判明する可能性があります。早く大規模な調査がおこなわれればと思います。
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