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或る論文の概要の紹介です。 プロバイオティクス、つまり腸内の善玉菌を製剤化したものを摂ることによって潰瘍性大腸炎の症状を改善しようという研究が盛んにおこなわれていますが、「健全フローラ」、つまり「健康な人の便」を患者に注腸することによって症状の改善を試みる治験がオーストラリアでおこなわれ、参加人数が少なく、対照群(=にせの注腸をほどこすグループ)を設定して比較をしていない治験ながら、かなりの有効性がみられたようです。 (草はみ注: 「他人の便を注腸する」というところでひいておしまいにならず、是非この記事に目をお通しになることをおすすめいたします。もちろん真面目におこなわれた治験で、しかも潰瘍性大腸炎の原因の究明に関する非常に参考になる内容です。) 潰瘍性大腸炎に対するATM療法(フソバクテリウム・バリウム除菌療法)の論文やクローン病発症に関わっている可能性のあるNOD2(CARD15)遺伝子の変異に関する論文などが出されたことによってIBD研究者たちの照らすサーチライトが一斉に「腸内にいる細菌」に向くようになったこの頃ですが、潰瘍性大腸炎と腸内細菌との関連について書かれた論文を読んでいく過程で非常に興味深い内容の論文に行き当たりました。論文が医学論文雑誌の編集部に投稿されたのは2002年の4月で、ほんの少し古いですが、その概要を皆さんに紹介しようと思います。 「腸内フローラ」は別の表現で「腸内細菌叢」(ちょうないさいきんそう)と言います。「叢」は「くさむら」という意味です。様々な腸内細菌が腸の内壁にびっしりと生着している様子を山野に植物が繁茂しているさまに例えてこの漢字が使用されています。人間の腸内にいる細菌は500種類とも1000種類とも言われているようですが、培養が難しい菌も多く、いまだに総数ははっきりしていないようです。培養に成功して名前が付けられている細菌は全体の半分にも及ばないのではないかと言われているようです。 腸内フローラが健全であると病原性細菌は増殖しにくいとされています。善玉菌が優勢だと、病原菌が外から入って来て住み着く場所を得ようとしてもうまくいきにくくなるそうです。またさらに、善玉菌が優勢になってくると、それまで住み着いていた病原性の細菌が排除されてしまうそうです。潰瘍性大腸炎がもし何らかの細菌(例えばフソバクテリウム・バリウム)への感染が原因なのならば、腸内フローラを健全にすることによってその原因菌を排除し、さらに、長期にわたって再感染を防ぐことができる可能性があります。 腸内フローラのうち人間の腸にとって利益になる菌、つまり善玉菌の幾種類かを人工的に培養して摂取できるようにしたものが「プロバイオティクス製品」で、ビフィズス菌やラクトバチルス菌のものなどが知られていますが、論文の研究者グループは、1~10種類程度の善玉菌の混合物を摂るのではなく、同定されていない未知の善玉菌も含めた500種以上にものぼる腸内細菌一式を全てごっそり患者に注腸するという方法を試みたようです。「人間の便は、つまり、究極のプロバイオティクス混合物である」と論文の著者は言っています。 注腸に使用する便は病原菌が検出されない健康な成人から採取され、更に、便の中に病原菌がいないかをしっかり検査してから使用したようです。 実は、この「健全フローラ注腸療法」は50年以上前から散発的に実施例が報告されているそうで、主に難治性のクロストリジウム・ディフィシレ感染腸炎において、また便秘や過敏性腸症候群(IBS)においていちじるしい効果が報告されているそうです。 今回紹介する論文には、健全フローラ注腸療法を実施した潰瘍性大腸炎患者6人中6人全員にいちじるしい効果がみられ、長期にわたって患者の様子を観察したところ全く治療をおこなわなくても全く症状がみられない状態に全員いたっており、副作用も特に観察されていないということが書かれています。 以下に概要を紹介します。 Treatment of ulcerative colitis using fecal bacteriotherapy. Borody TJ, Warren EF, Leis S, Surace R, Ashman O. J Clin Gastroenterol. 2003 Jul;37(1):42-7. [↓A site from which you can get free full text] (英語) http://cdd.com.au/html/expertise/publications.html ▽▽▽▽▽▽ ここから論文の概要 ▽▽▽▽▽▽ 治験参加者は潰瘍性大腸炎患者6人で、男性3名、女性3名、年齢は25~53歳。全員、大腸内視鏡検査と生検の組織学的検査(=内視鏡検査のときに生きた腸壁のサンプルを採ってそれを顕微鏡で調べること)によって確実に潰瘍性大腸炎であると診断がなされ、発病から5年以上経ち、便検査によって病原菌および病原性ウイルスがないことが確かめられ、従来の治療法によっても効果が無いか、薬剤を減量すると再燃する患者。 便の提供者は患者が指名出来るようにした。 便の提供者の適合条件は、 ◆健康な成人 ◆腸の機能が正常 ◆病気を持っていない ◆抗生物質を6週間以上使用していない ◆検査でHIV、肝炎ウイルスA・B・C、サイトメガロウイルス、EBウイルス、梅毒が検出されない ◆便の検査でサルモネラ菌、赤痢菌、カンピロバクター、エロモナス、エルシニア、腸炎ビブリオ、コレラ菌、カンジダ、腸管出血性大腸菌O-157、クロストリジウム・ディフィシレ、原虫類、寄生虫類が検出されない という条件を全て満たす人とした。 治験参加者には、健全フローラ注腸の前処置として、腸内のクロストリジウム属菌の抑制の目的で、抗菌剤(抗生物質) ◆バンコマイシン 500mgを1日2回 ◆メトロニダゾール 400mgを1日2回 ◆リファンピシン 150mgを1日2回 を7~10日間投与した。 (草はみ注: 「クロストリジウム属」には腸内細菌として活動する菌種が多く属し、そのうちでもウエルシュ菌、ディフィシレ(偽膜性大腸炎の原因菌)、破傷風菌、ボツリヌス菌などは毒素を産生します。このような前処置を実施したのは、健全フローラ注腸療法は元々クロストリジウム・ディフィシレによる偽膜性大腸炎の難治例に対する治療法としておこなわれてきた経過があるので、その治療の手順を踏襲したもののようです。) 次に、ポリエチレングリコール系の腸管洗浄剤3リットルでもって腸管内を洗浄した。 提供者の便200~300gを生理食塩水200~300mlで希釈し、10分以内に患者に注腸した。患者には、出来るだけ、少なくとも6~8時間、我慢するように要求した。この処置を1日1回、5日間おこなった。 注腸した腸内細菌の増殖を促すために、患者に高繊維食を摂るように勧めた。 以下は治験参加者6人各々の経過。 【患者1】 25歳男性。潰瘍性大腸炎歴6年。ステロイド剤とサラゾピリンで治療を続けていたが、ステロイドを減量しようとすると再燃していた。内視鏡で診たところ、全大腸型で、粘膜の表面がザラザラしており、粘膜を内視鏡の先端でこすると出血し、微小な潰瘍が見られ、活動期の慢性大腸炎と診断できる状態であった。注腸の直前には、 プレドニゾン(ステロイド剤。下の注を参照)25mg/日、 サラゾピリン1g/日 でもって炎症は適度にコントロールされていた。 (草はみ注:「プレドニゾン」は日本で主に用いられている「プレドニゾロン」(商品名:プレドニン)とほぼ同じ作用のステロイド剤。) 便の提供者は患者の女性パートナー。患者は注腸の最終日にサラゾピリンを中止した。プレドニゾン(ステロイド剤)は週に5mgのペースで5週間かけて離脱した。注腸1週間後、症状は著しく改善し、便の回数や直腸からの出血が減少した。4ヵ月後、治療をおこなわなくても症状は無く、排便は日に2~3回で、出血は見られなかった。その後、患者は再燃を経験しておらず、13年後にあたる最近の診察では、特に治療をおこなっていないにもかかわらず臨床的(診察的)にも内視鏡的にも潰瘍性大腸炎であるという所見はなく、大腸の各所から採取した生検を顕微鏡で観察しても正常であった。 【患者2】 53歳女性。潰瘍性大腸炎歴20年で、慢性に経過。直腸からの出血、日に2~3回の下痢、便秘、腹部のけいれん、切迫性便意、腹部の膨満感を訴えていた。内視鏡で診たところ、潰瘍が散在していた。生検の組織学的検査(=腸粘膜組織を顕微鏡で観察)をしたところ、中等症の潰瘍性大腸炎と診断された。 それまでは、 プレドニゾン25mg/日、 メトロニダゾール(抗菌剤)600mg/日、 サラゾピリン2g/日 で治療していた。 注腸前は、サラゾピリンを服用していた。 便の提供者は血縁関係のない男性。注腸後すぐサラゾピリンを中止。数日で症状は著しく改善した。4ヵ月後、内視鏡と組織学的検査をしたが、病状は活動期ではなく、慢性的な炎症は著しく改善していた。便通は有形便が日に1~2回と正常で、症状はみられなかった。10年後、依然無症状だった。12年後、臨床的にも内視鏡的にも潰瘍性大腸炎の証拠は見られなかった。組織学的検査でも炎症は見られなかった。 【患者3】 27歳男性。潰瘍性大腸炎歴5年。重症で、日に10~15回の粘血便があり、腹痛、切迫性便意、吐き気、腹部膨満感、疲労を訴えていた。 ステロイド剤50mg/日、 メサラミン(5ASA剤)4~6g/日、 オルサラジン(5ASA系薬剤)3~4g/日、 アザチオプリン(免疫抑制剤)200mg/日、 バンコマイシン(抗菌剤)1g/日、 シクロスポリン(免疫抑制剤) でもって治療をしていたが、プレドニゾンを20mg/日以下に減らすと再燃してしまっていた。内視鏡で診たところ、内視鏡の先端でこすると出血し、活動期慢性大腸炎であると確認できた。組織学的検査でも典型的な活動期慢性大腸炎であると診断された。血液検査でリンパ球減少と好中球増加がみられた。 便の提供者は患者の兄弟。注腸から1週間後、腹痛、切迫性便意、出血が減少した。プレドニゾンの減量を週に5mgのペースで開始した。1ヵ月後、全ての薬を中止できた。4ヵ月後、排便は日に2回で、出血は少量で、切迫性便意はなかった。体重が5kg増え、症状と全身状態が著しく改善していた。1年後、症状は見られず、投薬も必要とせず、日に1~2回の有形便があり、出血や痛みは訴えていなかった。4年後、臨床的にも内視鏡的にも完全に緩解状態だった。直腸の生検を調べた結果、過去に慢性的炎症があったことによる組織構造の小規模な変化が見られたが、活動性の炎症は見られなかった。 【患者4】 28歳女性。潰瘍性大腸炎歴14年。粘液や出血を伴う下痢(日に3~5回)、けいれん、吐き気、嘔吐、発熱感、疲労を訴えていた。治療にもかかわらず、数ヵ月ごとに重症の再燃を起こしていた。内視鏡で診ると強い炎症が観察され、組織学的検査でも活動期の慢性炎症が観察された。 プレドニゾン40mg/日、 オルサラジン3g/日、 アザチオプリン(免疫抑制剤)175mg/日 (副作用の血小板減少症のために、のちに、メルカプトプリン(免疫抑制剤)75mg/日に変更) でもって症状の一部を数ヵ月間コントロールすることは可能だった。 便の提供者は患者の親の義理の兄弟。注腸の前にプレドニゾンを20mgにまで減量した。注腸してすぐにメルカプトプリンを中止した。オルサラジンは6週間後に中止した。出血、切迫性便意、吐き気、嘔吐は注腸してすぐに減少した。3週間後に出血が1度みられた。6週間後にプレドニゾンの離脱を完了。2ヵ月後、患者の状態は良好で切迫性便意、出血はみられなかった。1年後、内視鏡検査と組織学検査の結果は正常だった。2年後、投薬無しにも関わらず、再燃は見られず、臨床的にも、内視鏡的にも、組織学的にも潰瘍性大腸炎であるとの所見はなかった。 【患者5】 40歳女性。潰瘍性大腸炎歴15年。重症。直腸からの出血と粘液をともなう下痢が日に6回、腹痛、関節痛、食欲不振、体重減少がみられた。 プレドニゾン40mg/日、 アザチオプリン200mg/日、 メトロニダゾールを時々。最大800mg 水溶性プレドニゾロン注腸剤 オルサラジン3g/日 メサラミン1.5g/日 または サラゾピリン2g/日 でもって2年以上治療をおこない、良好にコントロールは出来ていた。しかし薬を減らすと再燃した。注腸直前の内視鏡検査では強度の腸炎が横行結腸の中ほどで観察され、内視鏡の先端でこすると出血がみられた。組織学的検査は活動期の慢性炎症という所見だった。 便の提供者は患者の兄弟。注腸直後に症状の改善がみられ、6ヵ月かけて全ての投薬を中止することが出来た。4ヵ月後、腹部の不快感と軽い関節痛がまだあったものの、排便は日に1回になり、出血もみられなくなった。1年後、治療をしなくても症状は出なくなり、腹部の不快感と軽い関節痛も消失し、内視鏡で観察すると、粘膜に多少の傷があるものの、炎症はみられなかった。組織学的検査では潰瘍性大腸炎であるとの証拠はみられなかった。 【患者6】 42歳男性。潰瘍性大腸炎歴10年。重症。直腸からの出血をともなった下痢(日に4~5回)、けいれん、疲労、体重減少がみられた。 プレドニゾン50mg/日、 アザチオプリン125mg/日、 メサラミン1~2g/日、 サラゾピリン2g/日 にて病状はコントロールされていた。 内視鏡検査でS字結腸の中ほどに大腸炎がみられ、組織学的検査で活動期の慢性大腸炎が確認された。 便の提供者は患者の兄弟。注腸の前にプレドニゾンを週に10mgのペースで減量し、中止した。6週間後、症状は正常化し、全ての投薬を中止することが出来た。6ヵ月後、体重が4kg増加していた。1年後、治療無しにもかかわらず、排便は日に1回になり、出血も切迫性便意もなくなり、内視鏡検査で大腸炎の証拠はみられず、組織学的検査でも炎症は観察されなかった。 【考察】 潰瘍性大腸炎は急性の細菌感染症と臨床的にも内視鏡的にも組織学的にもかなり似ている。潰瘍性大腸炎は未だ究明されていない何らかの細菌による継続的な感染症なのではないかという可能性がある。ならば、健全なフローラを患者に移植することによって原因菌が排除され、患者は治ゆに近いような状態になるのではないかという仮説を立てることも出来る。潰瘍性大腸炎の原因菌として粘着性大腸菌や、最近では、フソバクテリウム・バリウムが候補にあがっている。腸内細菌を培養法によって全て明らかにするのは技術的に非常に困難であるが、DNAやRNAを同定する最新の手法によって明らかに出来る可能性もある。 △△△△△△ ここまで論文の概要 △△△△△△ 【ご注意】 念のため注意を喚起させていただきますが、今回紹介した便注腸療法を決して個人では試したりなさらないでください。 【そのほかに参考とした文献】 Bacteriotherapy using fecal flora: toying with human motions. Borody TJ, Warren EF, Leis SM, Surace R, Ashman O, Siarakas S. J Clin Gastroenterol. 2004 Jul;38(6):475-83. [↓A site from which you can get free full text] (英語) http://cdd.com.au/html/expertise/publications.html 2014年5月追記: この記事に関連する内容の記事をこのブログに追加しましたので、こちらも是非お読みになってみてください。 『慶応大医が潰瘍性大腸炎への「便微生物移植」を実施』 2014-05-11
by pascor
| 2007-02-09 23:33
| 潰瘍性大腸炎
|
Comments(31)
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ぴろき
at 2007-02-10 02:47
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はじめまして。いつも詳しい情報なので、ほんとに頭が下がります。ありがとうございます。 でもって私は、32歳のUC歴‘10年もの‘です。UCの他に白斑もありまして、、、毎日②原因をたどっている日々です。
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monaka-deutsch at 2007-02-10 03:22
草はみさんこんにちは。詳しくは忘れたけど、子供の時に母親の排泄物を食べて腸内菌を作る動物がいるというのを聞いたことがあるので、この説は説得力あります。自分がこの治療を受けるとしたら、家族からもらおうか他人からにしようか迷います。。この方法を考えた人もすごいけど、協力してくれた患者さんたちも偉いです。
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コイ
at 2007-02-10 19:52
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やはり細菌原因説を裏付けるお話ですよね。悪たる「フソ菌+α」を除菌後に「善玉菌+α」を定住させる事が出来れば・・・という事でしょうか。それには健康な人の便が一番の近道と(笑)。なにしろこの人達は直っちゃってますもんね。しかも皆さん難治例の方ばかり。う~ん直るためならやってみたい気も・・・・。(その場合私はもちろん家族からもらいます)
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アヂオス
at 2007-02-10 21:24
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草はみさん、こんにちわ。
もし、これがほんとにこんなに劇的に効果があるとすれば、なんで今まで、取り上げられなかったのでしょうね?日本の医学会では、話題にならなかったんでしょうかね?
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草はみ
at 2007-02-11 00:48
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ぴろきさん、はじめまして。「皮膚は内臓の鏡」という言葉がありまして、内臓の状態が良くないと皮膚のツヤなども悪くなるとされているようですから、恐らく大腸と皮膚には何らかの相関があるのでしょうね。腸壁も皮膚も「表面で善玉菌と悪玉菌と病原菌が陣取り合戦をしている」という点で共通していますしね。
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草はみ
at 2007-02-11 00:49
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monakaさん、こんばんは。TV番組「トリビアの泉」で見た記憶があったので、「コアラ 腸内細菌」でネット上を検索してみましたら、情報がありました。母コアラは子コアラに離乳食として半分消化した排泄物を食べさせて子に腸内細菌を相続させるそうです。コアラはユーカリの葉しか食べないそうですが、ユーカリの葉には青酸系の毒があるので、その毒を分解する働きのある腸内細菌を腸に持っていないと生きていけないそうです。ある動物園で、あたらしく入園したコアラを手厚く飼育しようと、衛生環境を整え、感染症発症予防のために抗生物質を投与したりしていたところ、死んでしまったそうです。腸内細菌が居なくなったことが死因の一つだったそうです。
家族よりは他人のほうが有効率が高いかもしれません。家族だと腸内細菌の内容が似ている可能性がありますしね。それでもこの治験では成功しているようですけれども。 25歳の患者1さんは彼女から便の提供を受けたようです。これからお互いに一生信頼し合いながら生きていけるんだろうなあと思ったりしちゃいました。
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草はみ
at 2007-02-11 00:50
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コイさん、こんばんは。潰瘍性大腸炎のような症状を必ず発症するマウスというものが研究の世界で実験に使われているそうなのですが、このマウスを完全無菌状態で飼育するとUCを発症しないことが結構以前から知られていまして、その時点で、UCの発症に腸内細菌が関わっている可能性を強く疑わないといけないのだと思います。
ずっと無菌室で暮らす覚悟があれば人間も「無菌人間」になることが出来る可能性がありますが、殺菌のために抗生物質を大量に使わないといけないだろうし、事実上不可能です。でも、ATM療法や健全全フローラ注腸療法が効果を示したことで、そこまでしなくても長期緩解が得られる可能性が見えてきたということだと思います。早く真実が判明することを祈りましょう。
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草はみ
at 2007-02-11 00:53
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実は、私がATM療法を治験外として実施したときは、自己判断ですが、ATM7日目ころから数週間、様々なメーカーの市販ヨーグルトを片っ端から食べまくりました。ATMを飲むことによって腸壁に腸内細菌の「更地」がたくさん出来るのだろうから、そこに善玉菌を優先的に入植させたいと考えたからです。これが良かったのかどうかは分かりませんが、現在状態は良好です。便のにおいもATM後は乳児の便のにおいに近づいたような気がします。
とにかく、ATM2週間服用によって腸壁から抹殺されてしまう菌の中に犯人が居る可能性が高いと思います。で、一番怪しい菌がフソバクテリウム・バリウムです。大草先生は、腸内細菌の研究でTVなどでも有名な弁野氏とも協働して、ATM前とATM後の腸内細菌叢の相違を研究したりなさっているようです。「菌種によって配列が固有な16sリボソームRNAをコードするDNAを生検から抽出してPCR法で増幅しT-RFLP法で解析することによって腸内細菌叢全体の多様性をスペクトルとして画き出す」という最新の手法でもって研究をされています。期待しましょう。
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草はみ
at 2007-02-11 00:54
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アヂオスさん、こんばんは。というか世界的にもまだほとんど話題となっていないようです。「他人の便を注腸する」というところを読んだ時点で論文をゴミ箱に捨てる研究者がほとんどなのかもしれません…
(^^; と言いながら、私も、ATM療法のことを知る前でしたら、この論文に興味を示さなかったかもしれません。
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monaka-deutsch at 2007-02-11 10:13
草はみさん
コアラでしたか~。スッキリしました。わざわざ調べて頂いてありがとうございます。人生のパートナーの便をもらって健康になるなんてちょっとロマンチックですね。ウンと縁で韻を踏んでるところも気に入りました。
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AN
at 2007-02-11 22:54
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ATM後に健全フローラを行うのは理にかなってると思います。
ただ、どのフソバクテリウム以外にどの腸内細菌が関与しているのかを同定するのは至難の業のような気がします。 個人的には、ATM後に各種の細菌の服用で(乳酸菌、酪酸菌、納豆菌、大腸菌、その他)でATM後の成績に関与があるのかが気になりましたが、このあたりはどうなんでしょうか?
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朝食ヨーグルト
at 2007-02-11 23:39
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どもよろすく 論文拝見しました 裏に適った筋道でいいんじゃないかなって思います ただ他人の便というのが…(汗) 昔、究極の選択でうんこ味のカレーは食べるかなんてのがあったけどそれに似たような感じがします ただUCでもCDでも治るなら是非やってみたい治療だと思います
私自身はヨーグルトは勿論、ムチンが影響しているのと思いきや納豆や山芋など試してみたりしましたがサッパリ系が好きな自分にはハードルが高すぎたようです 話は変わりますが、CDの治療だと思うのですがPROCHYMALなんて名前のが一段回ステップUpしたみいなんですが、ご存知なら是非取り上げて頂ければ嬉しく思います
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草はみ
at 2007-02-12 22:05
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monakaさん、そうなんです、コアラだったのです。
よっぽどお互いに信頼しあっている間柄でないと「提供者になってください」と言い出せないかもしれませんね。 「ウン」と「縁」ですか… 私の「ダジャレ病」がうつっちゃったのかも知れませんね… 付ける薬はありませんので悪しからず(爆)
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草はみ
at 2007-02-12 22:06
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ANさん、こんばんは。
>フソバクテリウム以外にどの腸内細菌が関与しているのかを同定するのは至難の業のような気がします。 実は、大草先生は、潰瘍性大腸炎に関わっていることが怪しまれる細菌を20種あげておられます。いずれも大草先生が患者の病変部の粘膜から培養して同定した菌です。もちろんその中にはフソバクテリウム・バリウムが含まれています。残りの19種も念のため関与していないかを調査研究したほうがいいのかもしれません。見つけ出せるかもしれません。受賞の枠は最大3つまでありますし、多くの研究者によって精力的に研究がされることを望みます。 > ATM後に各種の細菌の服用で(乳酸菌、酪酸菌、納豆菌、大腸菌、その他)でATM後の成績に関与があるのかが気になりましたが、このあたりはどうなんでしょうか? ATM投与後に各種プロバイオティクスを投与するという治験が実施されたという話は耳に入っていません。ただ、大草先生の構想にはあるようです。今後、研究が実施されることを望みます。
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草はみ
at 2007-02-12 22:10
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朝食ヨーグルトさん、こちらこそよろしく。
>裏に適った筋道でいいんじゃないかなって思います ただ他人の便というのが…(汗) まあ、副作用がないのならば、いい意味で「病気が治るんだったら何でもいいや」という積極的な気持ちがあれば、この治療法を受けることは可能だと思います。以前私が投稿しました記事、『ブタの寄生虫の卵の服用による新治療法』で紹介した治療法は、海外で既に多くの人が試したようなのですが、もし、ブタの寄生虫の卵を飲んで、そして、他人の便を注腸して潰瘍性大腸炎が完全に治ったら、その後の人生、何も恐れずに生きていけるようになる気がします(爆)。
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草はみ
at 2007-02-12 22:11
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> UCでもCDでも治るなら是非やってみたい治療だと思います
この治療法を試した報告があるクローン病患者は1例だけのようです。プレドニゾンとサラゾピリンを使ってもなかなか良くならない患者にこの療法を試したところ、3日目で症状が見られなくなり、投薬無しでその状態が4ヵ月続いたそうですが、18ヵ月目に再燃したそうです。まあ、1例だけではなんとも言えないと思います。大腸型なら効果のほどを期待出来るかもしれません。MAPという菌が発症に関わっているという有力な説がありますので。今後、研究が進むことを期待します。 > PROCHYMALなんて名前のが一段回ステップUpしたみいなんですが、ご存知なら是非取り上げて頂ければ嬉しく思います 海外のサイトに情報が流れているのを既につかんでいます。 私が以前に投稿した記事、『難治性CDに対する自家骨髄移植』で紹介した治療法と同じ系統の治療法のようです。新薬ではなく、新治療法ということのようです。ただ、Prochymalでは「間葉系幹細胞」を使用するのが特徴のようです。近いうちに記事を作成して投稿する予定です。
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at 2007-02-13 07:18
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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AN
at 2007-02-17 19:08
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草はみさん、質問の返事ありがとうございます。ちょっと気になったことがありますので質問させてください。
潰瘍性大腸炎に腸内フローラが関与している可能性が高いですが、潰瘍性大腸炎の炎症の区域性はどのように説明ができるのでしょうか。 フソバクテリウムはまず肛門近くの粘膜から入り込むのでしょうか? それとも大腸の場所で細菌群が異なったりするのでしょうか?
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pascor at 2007-02-17 23:04
ANさん、こんばんは、草はみです。
>潰瘍性大腸炎の炎症の区域性はどのように説明ができるのでしょうか。 う~ん、さすがに、情報の少ない今の時点では、謎と言っていいかも知れません。UCの病変は、普通、肛門から腸をさかのぼって連続に上へと拡がっていきますが、それがなぜかということもよく解かっていないようです。 結核菌が腸で起こすことがある腸結核は、区域性に炎症が起こることが知られているのですが、どうして区域性になるのかは解かっていないようです。 >フソバクテリウムはまず肛門近くの粘膜から入り込むのでしょうか? 確かに、もしそうでしたら、UCの病変が肛門から腸をさかのぼって上へと拡がっていくことを説明できますよね。ならば、区域性型はどう説明するのか… >それとも大腸の場所で細菌群が異なったりするのでしょうか? そうですね、腸内細菌の群れにも縄張りがあるのかもしれません。肛門から連続的に拡大してきた縄張りを、ところどころほかの細菌に奪われたか…
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pascor at 2007-02-17 23:05
大腸の中は肛門に近くなるほど酸性が強くなるので、そのことがUCの炎症が肛門から上へと拡がることの理由である可能性もありますが、ならば区域性はどう説明するのか…
大腸は肛門に近くなるほど腸内細菌が多いので、そのことが病変が連続に拡がる理由である可能性。ならば区域性は… 免疫機構の強さが、普通は肛門に近いほど強くて炎症も強く起こる傾向があるが、まれに、免疫の強さの分布がまだら状である人がいて、区域性になるという仮説。 つまるところ、今の段階では、有力な仮説さえ選び出すことが出来ません…
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AN
at 2007-02-18 06:54
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草はみさん、pascorさん返事ありがとうございます。
大腸の各部において環境が異なることは分かりました。pHや便の形状も違えば細菌の生息環境も変わりますよね。 回腸嚢炎ではフラジールが効くことから、アルカリ性で繁殖する菌の影響とも考えられますし、炎症の区域によって異なる細菌が関与していてもおかしくはないかな。 区域性の場合はちょうどその場所が問題となる細菌の最適環境(温度、pH、他の細菌、細胞の性質)だったりとか。 フソと20種の培養環境とか腸内の分布とかが気になりました。研究が順調に進んで欲しいと思っています。 でも先が長そう・・・・今できるのは、手当たり次第プロバイオティクスを食べたり、健全全フローラ注腸療法するしかなさそうですね。
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daigoman
at 2007-04-29 06:58
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草はみさん、はじめまして。
今年3月に潰瘍性大腸炎と診断された29才(男)です。 ネット検索で草はみさんのブログを見つけ拝見させていただきましたが、情報の量、質ともに驚愕。とても参考になり心強く感じます。今後も拝見させていただきます。 健全フローラ注腸療法、ATM療法とも興味深いですね。特に前者の実施患者6人の結果には目を見張るものがあります。日本でも実施可能なのでしょうか、今度主治医に聞いてみたいと思います。(ちなみに、妻の便を狙っています(笑)) 私は潰瘍性大腸炎と同時に「特発性血小板減少症紫斑病(ITP)」を併発(合併?)しており、医師から珍しい例だといわれました。 いずれもステロイド剤が有効とのことで、現在は、 プレドニン5mg×4錠/日 ペンタサ錠250mg×9錠/日 ガスター錠20mg×2錠/日 を服用し症状は治まっています。今後薬を減らす過程で再燃したら、*CAP(ITP併発のため前回は断念)やATM、健全フローラ注腸など、積極的に受けてみたいと思います。その際は結果レポートしますね。
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草はみ
at 2007-04-29 23:51
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daigomanさん、こんばんは。情報がお役に立ち何よりです。
> 日本でも実施可能なのでしょうか 記事で紹介した論文がきちんと読めて、更に、病原性細菌についてきちんとした知識を持った医師のもとでなら可能だと思います。この治療法で一番注意しなければならないことは、提供者の便に病原性の菌やウイルスや寄生虫が潜んでいたために患者がそれらによる感染症を発症してしまうという事態だと思います。提供者の便にそれら病原性のものがいないことを複数の検査手法でもって確実に確認できる医師でないといけないと思います。記事で紹介した論文にあげられている菌やウイルスや寄生虫だけでなく、日本人に特に多い感染症の原因となっている種も検査項目に盛り込まなくてはならないと思います。例えば、論文では項目にあげられていませんが、「結核菌」も日本人に対しては項目に追加するべきだと思います。 [下に続く↓]
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草はみ
at 2007-04-29 23:52
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> 私は潰瘍性大腸炎と同時に「特発性血小板減少症紫斑病(ITP)」を併発(合併?)しており
ITPはいつ発症したのでしょうか? ペンタサの副作用に「ほんのちょっとした打ち身でも大げさな紫アザができる」「内出血しやすくなる」というのが患者の間で知られています。僕も飲んでいるときにちょっと打ち身をしただけで二の腕にまるで鮮やかなバラの入れ墨をしたかのような派手な大きなアザが出来てなかなか治らなかったという経験があります。「腕に牡丹の入れ墨をしているその筋の人」かと間違われそうなアザ(笑)でした。また、ペンタサの副作用のひとつとして「血小板減少症」もあげられています。 > ちなみに、妻の便を狙っています 将来、夫婦喧嘩をしたときに、 「あなた、一体誰のウ○コをもらったおかげでUCが完治したと思っているの?」 と言われてしまうと、それ以上何も言えなくなってしまう可能性があります(爆)。
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こんた
at 2007-07-14 18:04
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草はみさん初めまして。
このブログの情報量、詳細な説明と草はみさんの情熱を感じています。私もdaigomanさん同様この病気を治すことができるのなら、何でもしたいと思っていたので、担当医に話したら、笑われました。草はみさんだったら、この次どういう手段でアプローチをしますか?
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草はみ
at 2007-07-14 23:02
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こんたさん、はじめまして。
このブログがご参考になれば幸いです。 > 草はみさんだったら、この次どういう手段でアプローチをしますか? えーと、こんたさんの担当医にどのように健全フローラ注腸を理解してもらったらいいかという意味ですか? それでしたら、この上の「健全フローラ注腸療法」の記事をプリントアウトして読んでおいてみていただけませんかと渡すと思います。 ピロリ菌の発見でノーベル医学生理学賞をもらった研究者も確か「胃粘膜に細菌がいるようです。これが慢性胃潰瘍の犯人のようです」と最初に発表したときに「何をばかなことを言ってるんだ」と一笑に付されたと聞いています。
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こんた
at 2007-07-15 19:48
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草はみさん早々のご返事ありがとうございます。
私も言葉足らずだったことを反省しています。 私の担当医はATM療法にも懐疑的な人なので、多分書面を渡しても読んでもらえそうにもありません。総合病院の先生なので、当直もあり、大変忙しいのでしょうがないのですが… 草はみさんだったら、こういう場合、大学病院等に直接話を持ち込むこと等の方法をとられますか? 草はみさんには質問ばかりで申し訳ありません。 草はみさんの情報収集、解析能力にはあこがれてしまいます。 これからもこのブログを病気が治るという希望を失わないようにするために拝見させていただきたいと思います。でも、草はみさんも無理をなさらないように…お願いします。
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草はみ
at 2007-07-16 18:45
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こんたさん
> 草はみさんだったら、こういう場合、大学病院等に直接話を持ち込むこと等の方法をとられますか? 一番早い方法は、論文の著者であるborody氏がオーストラリアのシドニーに開設しているCentre for Digestive Diseasesに問い合わせたうえでシドニーに行き、borody氏の監督のもとでこの治療を受けることだと思います。シドニーの中心部から西へ8kmほどの所のようです。 ATM療法の大草先生も腸内細菌にお詳しいので大草先生に問い合わせてお願いしてみるという方法もあると思います。大草先生は腸内フローラに関して第一人者の理化学研究所バイオリソースセンターの弁野博士と共同研究されたこともありますので、そちらからの情報もこの治療法の実施に際して役に立つかもしれません。また、弁野博士は様々なシチュエーションの便のサンプルを精力的に集められていますので、治療前と治療後のサンプルも研究所のコレクションとして貴重なものになるかもしれません。
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こんた
at 2007-07-17 20:56
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草はみさんいろいろ本当にありがとうございます。
オーストラリアには仕事の関係もあり、すぐには行けそうにもない(でも最後の手段としては考えています)ので、とりあえず日本語でお話ができそうな(笑)大草先生にお話をしてみたいと思います。 この療法を日本の医学部がどうして研究しないのでしょうか。たとえ原因がわからなくても「この療法」を行えば少なくとも「完治」するということがわかれば患者の為になるのではと思ってしまいます。医学というのは研究者のためにあるのか…それとも患者のためにあるのか…と考えてしまいます。 それでは、本当にありがとうございました。
オーストラリアでフローラ療法を行っていると思われる研究所のHPをみつけました。ただ、HPを見る限り、UCにはさほど効果がないような印象を受けます。。。。。
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草はみ
at 2008-01-13 13:32
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情報をお教えくださりありがとうございます。
あのホームページのあの記事は、同じHPの医師向け記事 http://www.probiotictherapy.com.au/physicians/diseases_4.html を患者向けに易しく書き直した物のようですが、その医師向け記事のほうには参考文献が書き出されており、それらをざっとながめてみますと、Borody氏の2003年の論文も2004年の論文もそこには含まれていないようです。挙げられているいちばん新しい論文は2001年のもののようです。どうやら、Borody氏の2003年の論文より前に書かれたもののようです。 読んでみますと、colitis(大腸炎)とulcerative colitis(潰瘍性大腸炎)の2病名の使い分けがいい加減に書かれていまして、きっちりした内容を把握しにくいです。これが医学論文雑誌に掲載された文章でしたら専門の編集者による校正作業がされていると思うのですが、その記事は用語使用のあいまいさを正す作業がなされていないような印象を受けます。 この治療法の研究はその後どういった結果を出しているのかをまた発見しましたら情報としてお知らせさせていただきます。
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