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7月の下旬に、和歌山市の片男波(かたおなみ)海水浴場へ、今年3回めの遠泳をしに行きました。 晴天に少しだけ白い霞(かすみ)がかかって、薄い雲もあり、肌を刺す紫外線の量が減って丁度良い遠泳日和でした。 立て看板にある通り、海水浴の期間は残念ながらバーベキューは全面禁止となっています。 ビーチには、なんと、日本庭園がありまして、陽光をたっぷりと浴びて、木々が青々と茂っていました。 実は、この海水浴場はもともと、奈良時代、平安時代の昔から景勝の地として知られた天然の砂嘴(さし)で、多くの歌人(かじん)が絶景を目にして和歌(わか)を詠んだそうです。「片男波」(かたおなみ)という名称は、『万葉集』に収載されている山部赤人の和歌、 若浦爾 鹽滿來者 滷乎無美 葦邊乎指天 多頭鳴渡 わかのうらに しほみちくれば かたをなみ あしべをさして たづなきわたる 若の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺を指して 鶴鳴き渡る から来ているとされているそうです。歌の内容からすると、奈良時代には、どうやらこの干潟は存在したようです。 松の太い幹です。樹齢百年以上はありそうです。かつてこの砂嘴は、京都府の天橋立(あまのはしだて)のような美しい天然名勝だったそうです。 ハマボウの花が咲いていました。夏の強い陽光の元でこそ良い色を見せてくれる花です。 ビーチの裏側にある干潟です。潮の満ち具合は中くらいでした。対岸に見えている山は名草山(なぐさやま)です。山内には吉祥水、清浄水、楊柳水の3つの有名な名水が湧いています。 この山も万葉集に詠まれています。 名草山 事西在来 吾戀 千重一重 名草目名國 なぐさやま ことにしありけり あがこふる ちへのひとへも なぐさめなくに 名草山 言にしありけり 我が恋ふる 千重の一重も 慰めなくに 詠み人知らず 【解釈by草はみ】 素晴らしい名勝として知られていて、訪れてみたいとずっと熱望していた名草山(なぐさやま)を、やっとこの目で見る事ができた。「慰(なぐさ)」という名称とは違って、訪れたからといって、あの人への私の苦しい恋心を千分の一も慰めてくれないという事は分かっていたけれども。 ふもとには紀三井寺(きみいでら)があります。関西で最も早く咲く桜の名所として有名です。 砂浜の波打ち際を歩いていますと、なにやら透明な物体がたくさん打ち上げられています。なんやこれ? 結構すごい数やがな。 かなり透明度が高くて、きれいです。 どうやら、死んでしばらく経ったミズクラゲのようです。触手などは既に全て分解してしまって、ぷるんとした美味しそうな透明のオブジェのようになっています。死んだあとに、このような澄んだ美しい姿になって、海の中に溶けるように存在がなくなっていくミズクラゲが少しうらやましくも思えました。 ミズクラゲは刺されても痛いうちには入らないクラゲですが、これがたくさんあるという事は、ほかの痛いクラゲも風や海流でこのビーチに吹き溜まっている可能性があるという事です。 海に入らずに砂浜にいる海水浴客の割合がいつもより多い気がします。経験から、こういう時は刺すクラゲがたくさんいる可能性が高いです。 着替えて、海岸線に平行に恐る恐る泳ぎ始めました。水温は丁度良いくらいで、透明度も普段よりも少し良く、3.5mくらいありました。 しかしやはり刺すクラゲが多少いまして、姿はあまり見えませんでしたが、何回か刺されて、赤くミミズ腫れになりました。例年は8月10日くらいから以降に刺すクラゲが出現するのですが、今年の7月は晴れの日が例年になく多かったので、出現が早まったのかも知れません。 この日は体の調子があまりよくありませんでした。クラゲを避けながらの少し変なクロール泳法で、身体のつらさをこらえながら泳ぎました。ビーチを1往復、つまり約1.2km泳いでは砂浜に上がって40分程休憩し、また1往復しては休憩し、なんとか合計3往復、約3.6km泳いだところでこの日の遠泳をフラフラになって終えました。 夏のビーチの風物詩、地元高校生のカップルがいました。部活の帰りっぽいです。 静かに打ち寄せる穏やかな波に見送られて、夏の夕日が、雲ひとつない空から山へと沈んで行きます。 振り返ると、発達中の入道雲が茜色(あかねいろ)に照らされていました。 今年はクラゲの出現が早かったので、海での遠泳は、今年はこの日で最後としました。また来年の夏までこのビーチにさようならです。
by pascor
| 2016-10-31 23:56
| 雑記
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Comments(2)
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dwycmj
at 2017-06-09 21:55
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大変ご無沙汰しています。和歌山市在住で草はみさんのお蔭で元気にビールを楽しんでいます。和歌山では西本先生のもとせいたいを広め、多くの方が元気になられています。片男波はキスつりで行くところです。7月に入れば海水浴で釣りはできなくなりますが、草はみさんが来られるので大歓迎です。いつかお会いできればと思いますが。これからもよろしくお願いします。来年からは和歌山の看護大学校で英語を教える予定です。
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草はみ
at 2017-06-17 14:52
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dwycmjさん
>多くの方が元気になられています 良かったです。 (^^) >片男波はキスつりで行くところです 泳いでいると、チヌ(クロダイ)がたくさんいます。泳いでいる私に付いて来る事もあります。ベラがいたり、ヒメジがヒゲでエサを探っていたりします。ツノダシのようなハタタテのような、熱帯魚もいます。 >来年からは和歌山の看護大学校で英語を教える予定です。 医学では英語が大事ですからね。がんばってください。 (^^)」
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