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海外では潰瘍性大腸炎の治療として、健康な人の便を患者の大腸に注腸する、つまり健全な腸内フローラ(=腸内細菌叢)をごっそりそのまま患者の大腸の内壁へ移植するという治療が試験的に行われていて成果を挙げているという内容を以前にこのブログの記事、 『健全フローラ注腸療法』 2007-02-09 で紹介させていただきましたが、遂に日本でも治験が開始されたようです。 ◆腸の難病、健康な人の便で治療? 慶大病院が臨床試験 朝日新聞デジタル 2014年5月10日16時57分 新聞記事によりますと、3月下旬に既に第1例めが実施されたようです。健康な人の便を医療用生理食塩水に溶いて、フィルターで漉して、液体のほうを50から300グラムほど注射器に採り、大腸内視鏡の先端の送水口から大腸内に散布したようです。便の提供者は今のところ配偶者か2親等以内の家族に限定しているようです。今回の治験の対象疾患は潰瘍性大腸炎、腸管型ベーチェット病、Clostridium difficile感染症の3つの難治性腸疾患のようです。 朝日新聞はこの治療法を「便微生物移植」という名称で書いています。新聞記事のタイトルには「?」クエスチョンマークが入れられていますが、「こんな治療法があるなんて信じられない。きんもー」という気持ちがやはり世間にあるのだと思います。私が過去にこの治療法の名称を「健全フローラ注腸療法」として皆さんに紹介したのは、世間から好奇の目で見られないように、ちょっと遠まわしな表現にしておきたかったからです。国際的には、最近は「Fecal Microbiota Transplantation(便微生物叢移植)」(略称:FMT)という名称で呼ばれているようです。「fecal」という単語はどちらかと言うと学問用語的です。今回の日本での治験開始を台湾のメディアも報じているのですが、「糞便微生物移植術」という名称を使用しているようです。でっ、できれば「糞」という文字は使って欲しくありません。お願いします。 (;^^) 「腸内フローラ」は別名「腸内細菌叢」(ちょうないさいきんそう)とも言います。「叢」は訓読みすると「くさむら」です。さまざまな種類の腸内細菌が腸の内壁にびっしりと生着している様子を山野にさまざまな植物が繁茂しているさまに例えてこの漢字が使用されています。 この治療法の長所は意外にもその安全性です。特にClostridium difficile感染症において、また難治性便秘や過敏性腸症候群(IBS)などにおいて、60年程前から今までに数多くの実施例が報告されているようなのですが、重篤な副作用は特に報告されていないそうです。 FMTはほかに肥満、メタボリックシンドローム、糖尿病、多発性硬化症、パーキンソン病などの疾患においても治療法として可能性があるのではないかということで、研究が進められているようです。腸内細菌叢(そう)に起こった何らかの不具合がさまざまな疾患の発症の原因になっている可能性があるという事だと思います。 海外では「The Fecal Transplant Foundation」(便移植財団)というものも設立されたりしているようで、今後この治療法は世界中で研究される事になると予測されます。ドナーバンクも設けられるかも知れません。この財団のホームページには、 とあります。『本草綱目』の人部の「人中黄」の項に『名医別録』からの引用として とあるのを指しているのかも知れません。人中黄についてはほかにも中国の古典薬学書にたくさん記述があるようですが、皆さんへの紹介はこれくらいにしておきたいと思います。 (;^^) 【そのほかに参考とした情報】 ◆試験名:難治性腸疾患患者に対する健常人糞便投与(糞便移植)の安全性および有効性の検討 UMIN試験ID:UMIN000012814 登録日(=情報公開日):2014/01/10 ◆Catalyst: Human Probiotic Infusion - ABC TV Science (英語) Thursday, 14 July 2011 ↑オーストラリアのテレビ局ABC配信の動画(8分44秒)です。FMT(便微生物叢移植)の実際も紹介されています。食事前とかには見ないほうがいいかも知れません。 (;^^) ◆【巻頭インタビュー】健康・寿命を左右するヒト腸内フローラ (.pdfファイル) 理化学研究所辨野特別研究室特別招聘研究員 辨野 義己 ヘルシスト221 平成25年9月10日発行 ◆『あさイチ』でも紹介 大便を移植する治療法に注目集まる 2014.04.07 16:00 女性セブン2014年4月17日号│NEWSポストセブン ◆The brave new world of DIY faecal transplant (英語) BBC News - 26 May 2014 Last updated at 23:29 ◆How faecal transplantation is gaining credibility (英語) BBC | 29 April 2014 ◆Faecal transplant safe for gut treatment, says watchdog (英語) BBC News - 26 March 2014 Last updated at 16:13 ◆潰瘍性大腸炎への便移植…腸内細菌の乱れ抑制 (2014年8月28日 読売新聞) : 最新医療 ~夕刊からだ面より : yomiDr./ヨミドクター 2014年6月4日追記: 順天堂大学の消化器内科でもこの治療法の治験が行われるようです。 ◆試験名 : 潰瘍性大腸炎患者に対する糞便移植療法および、 抗生剤療法併用糞便移植療法の有効性の検討 登録日(=情報公開日) : 2014/06/04 UMIN試験ID : UMIN000014152 ATM療法の進化版であるAFM療法を実施し、更に今回とりあげた健全フローラ移植療法を続けて行うようです。 ATM療法はアモキシシリン、テトラサイクリン、メトロニダゾールの3つの抗菌剤の同時投与でしたが、AFM療法はアモキシシリン、ホスミシン、メトロニダゾールの同時投与です。 フソバクテリウム・バリウム菌、またはこれら抗菌剤3剤の投与で排除されてしまう複数の細菌のうちどれかが潰瘍性大腸炎の発症原因または増悪原因であるという仮説のもとに研究が進められているのがAFM療法(旧ATM療法)ですが、この3剤の投与で腸内細菌叢に更地(空き地)ができますので、そこに他人からの健全な腸内細菌叢を移植して、更なる有効率を得ようという治療戦略のようです。 上記リンク先の内容から判断するに、糞便移植療法だけの治療も患者側が選択できるようです。 2015年2月13日追記: 2015年2月10日付けの共同通信社配信の記事によりますと、慶応大学の研究チームは「効果より安全性の確認が重要と考えている。2~3年間かけて慎重に進めたい」と、また順天堂大学の研究チームは「潰瘍性大腸炎は良くなったり悪くなったりを繰り返すため長期の経過観察が必要だが、今のところ多くの 患者さんが症状改善を実感している」とコメントしているようです。 ◆腸の難病にふん便移植 腸内細菌の乱れを是正 国内2大学が臨床研究 医療新世紀 2015.02.10 - 47NEWS(よんななニュース) 2015年6月6日追記: 滋賀医科大学の消化器内科でも、この治療法の治験が始まったようです。 ◆試験名:潰瘍性大腸炎に対する糞便移植の有用性について 登録日(=情報公開日):2015/03/24 UMIN試験ID:UMIN000016891 ◆臨床研究に関する情報公開 「潰瘍性大腸炎に対する糞便移植の有用性について」 国立大学法人 滋賀医科大学 消化器・血液内科 作成日:2015/03/17 (火) 9:06 潰瘍性大腸炎が対象となっていますが、偽膜性腸炎などのClostridium difficile関連疾患に対しても実施が可能だそうです。クローン病も対象とすべく、大学の倫理委員会へ実施承認申請をする予定だそうです。 2015年6月30日追記: 千葉大学医学部の消化器内科でも、この治療法の臨床研究が始まったようです。今年(2015年)の3月に、既に第一例めを実施したそうです。 ◆千葉)腸の難病、健康な人の便を移植 千葉大病院 朝日新聞デジタル 2015年6月29日03時00分 ◆「糞便移植療法」という新しい治療法に取り組んでいます。 (.pdfファイル) 平成27年 5月 7日 千葉大学医学部附属病院 プレスリリース 2015年11月1日追記: 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)でも、潰瘍性大腸炎の小児を対象に、この治療法の治験が始まったようです。 ◆試験名 : 小児潰瘍性大腸炎患者に対する糞便移植と腸内細菌に関する研究 登録日(=情報公開日) : 2015/10/28 UMIN試験ID : UMIN000019526 実施部署は器官病態系内科部の消化器科です。小児が対象です。大腸全摘出手術後に回腸嚢炎を発症した小児患者も対象だそうです。募集人数は8人ですが、この病院で現在既に治療を受けている患者に治験への参加を誘う形の募集のようで、広く一般に対しては募集をかけていないようです。 「共同実施」の欄に「順天堂大学プロバイオティクス研究講座」と「ヤクルト株式会社」とが書かれていまして、共同研究をするようです。「副次アウトカム評価項目」の欄に「便中の細菌叢分析」とありまして、どうやら腸内細菌のバリエーションの分析もするようです。 ◆リポート◎糞便移植で難病の根治を目指す 潰瘍性大腸炎に糞便移植が効果 ドナー選定やプロトコルの確立が成功のカギ 日経メディカル 2015/10/13 (全文閲覧は有料) という記事によりますと、或る難治小児患者の家族が強く希望したので、2013年12月より便移植療法をその患者に実施してみたところ、「大きな改善」がみられたという事例があったようです。その治療経験を踏まえての、今回の治験実施かも知れません。 2015年12月9日追記: ◆潰瘍性大腸炎に期待の治療法 健常者の便を移植 2015/12/6 6:00 日本経済新聞 という記事によりますと、順天堂大学で実施されている便微生物移植の治験に関しまして、責任研究者である石川大医師は、「約40人が参加。治療結果が判明している約30人のうち、移植1カ月後にはおよそ4分の3の患者で症状改善がみられた。副作用やトラブルもなく、手応えを感じている。」「FMT単独より、抗菌剤を併用したほうが治療成績がいい。」「FMTで、腸内細菌の多様性や均等性が向上することが分かった。」とコメントしているようです。 2015年12月11日追記: 藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)でも、この治療法の治験が始まったようです。 ◆試験名 : 糞便移植療法の安全性・有効性・受容性の検討 UMIN試験ID : UMIN000020136 登録日(=情報公開日) : 2015/12/10 対象疾患は潰瘍性大腸炎、クローン病、クロストリジウム・ディフィシル感染症となっています。実施部署は消化管内科です。募集人数は23人となっています。 「受容性の検討」というのは、この治療法がもたらす不快感が耐える事ができるレベル内であるかどうかを調査するという意味です。「レシピエント」というのは、便の提供を受ける人、つまりこの治療を受ける患者の事で、「ドナー」というのは、便の提供者の事です。 「フォロー終了(予定)日:2022年12月31日」とありまして、7年間程度、経過を観察するための定期的な通院が必要となるようです。もちろん引越しなど、通院できなくなる事情が将来できる場合もありますので、努力目標という事になると思います。
by pascor
| 2014-05-11 14:14
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Comments(23)
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みい
at 2014-05-12 08:36
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どうもこんにちは。
これはこれはまた興味深いお話ですね。 良い情報を有り難うございます。 主治医もUCの腸内細菌には目を向けている様子でしたので、こういった治療の考え方もUCにとって今後大きな進歩となり得るのでしょうね。 確かにちょっと抵抗ある治療法とも言えますね(;^_^A 提供者は家族などに限られるようなので、見知らぬ人よいりは良いかな・・・ 家族でも抵抗感はありますが。汗 UCが改善するなら、検討の余地はあるでしょうね。 腸内フローラというのは、散布することで、定着してくれるものなのか気になるところです。 定着させる事が出来れば、フソバクテリウムバリウムなどの菌が住みにくくなる、もしくは、住めなくなって排除出来るというのが狙いの治療でしょうか?
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みい
at 2014-05-12 08:39
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臨床試験1例目のこの男性は、この治療後の経過はどうなったのか、引き続き知りたいところですね。
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草はみ
at 2014-05-13 00:56
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みいさん
この治療法がなぜ潰瘍性大腸炎(UC)に効果があるのかというメカニズムはまだはっきりと判っていませんが、仮説としてとりあえず以下のようなものを思いつきます。 ◆UCの発症原因は、例えばフソバクテリウム・バリウム(Fv)などの特定の細菌であり、患者の腸にはFvの天敵である何らかの特定の細菌がいないために発症に至ってしまっている。健康な人の腸にはそれがいるので、Fvは死滅してしまうか、或いは活動を強く抑制されてしまう。 ◆健康な人の腸には腸壁に常に適度な刺激を与えて腸壁を鍛えている何らかの細菌がいるが、患者の腸にはそれがいないので腸壁の防御能力が低い。 ◆健康な人の腸には腸壁の免疫力が強くなり過ぎないように調節する物質を分泌する何らかの細菌がいるが、患者の腸にはそれがいないので免疫反応がムダに強くなってしまっている。 ◆健康な人の腸には腸壁を健康な状態に保つために必要な何らかの物質を分泌する何らかの細菌がいるが、患者にはそれがいない。
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みい
at 2014-05-14 13:43
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草はみさんこんにちは!
草はみさんの仮説、大変納得致しました。 健康な人の腸とUC患者の腸内の違いがポイントですね。 いかに健康な人の腸内細菌に近づけるかによって、フソバクテリウムに対しても、腸の能力に対しても、また、元の腸の働きを取り戻す事に対しても、良い働きかけになる治療と言えそうですね。 今後の慶応大の研究結果に期待したいものです。
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at 2014-05-14 14:42
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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草はみ
at 2014-05-15 21:40
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匿名のOoさん、情報をありがとうございます。
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なすっちょ
at 2014-05-16 09:34
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草はみさん
いつも本当に有益な情報をありがとうございます。 このサイトには何度希望をもらったことか。。 さて、この度の便移植の治療方法、真剣に検討しています。 私の現状は、レミケード+広島漢方で治療中なのですが、なかなか良い状態となりません。TNFαや好中球に対する治療が功を奏していない状態です。つまり、別の角度からの治療(アプローチ)が必要と考えていました。 便移植、慶応病院に連絡して、参加したいと思います。ちょうど2才の子供(乳酸菌いっぱい)もいますし、フレッシュな便をもらおうと思います。 しかし、オーストラリアの6人の例、すさまじいですね。希望をもって、参加したいと思います。参加できて結果が出れば、お知らせします。
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草はみ
at 2014-05-18 22:37
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なすっちょさん
>このサイトには何度希望をもらったことか。。 このブログがなすっちょさんのお役に立ってうれしいです。 (^^) >レミケード+広島漢方で治療中なのですが、なかなか良い状態となりません。 両薬とも、大腸の炎症をしずめる効果はあるようですが、どうやら大腸の調子を整える効果はないようです。便移植には炎症抑制効果と整腸効果の両方を期待できると思います。 >便移植、慶応病院に連絡して、参加したいと思います。 そうですか、良い成果が得られる事を私も祈っています。 (^^) >ちょうど2才の子供(乳酸菌いっぱい)もいますし、フレッシュな便をもらおうと思います。 私も良い選択だと思います。 >参加できて結果が出れば、お知らせします。 ありがとうございます。わたくしも、ほかの皆さんも、とても参考になると思います。
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草はみ
at 2014-06-18 19:41
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キリキリさん
情報をありがとうございます。 存在を教えてくださったBBCの記事を、本文の【情報源】に追加させていただきました。 胸痛についてですが、英語圏の掲示板「Crohn's Disease Forum」(crohnsforum.com)という所に幾つか患者の証言がありました。レミケード(一般名:インフリキシマブ)に対する遅延型アレルギー反応ではないかという情報が幾つかありました。 「倍量投与のおおよそ1週間後に、左胸に痛みが…」 「2回め投与後に胸痛が…」 「初回投与の帰り道に胸痛と頭痛が…」 「4回めの投与後に胸痛があったけど、翌日にはずっと良くなった」 「ゾウが胸の上に乗っているかのような痛みで夜中に目が覚めた」 などなどという証言がありました。 もしレミケードに対するアレルギー反応が原因という診断結果になれば、レミケードをやめて、同じ系統のヒュミラに乗り換えるという解決策を主治医は採る可能性があると思います。 また、 「医師が言うには、食道のケイレンで、胸痛と間違って感じられる事があると…」 「合併症として肋軟骨炎(costochondritis)を起こす事が…」 というような情報もありました。
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えざえざ
at 2014-07-25 14:22
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草はみさん
こんにちわ。いつも貴重な情報ありがとうございます。 早速ですが、UC患者への便移植が良い結果を得なかったという記事を見つけました。Canadaの医師による小規模な検証のようです。 http://www.healio.com/gastroenterology/highlights-from-ddw-2014/uc-patients-failed-to-show-significant-improvement-after-fecal-microbiota-therapy 量が50ml、回数が1回/週であることなど、もしかしたらFMTは劇的なやらないと効果が出ないのかもしれません。
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草はみ
at 2014-07-27 14:35
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えざえざさん、情報をありがとうございます。
その研究チームが学会で発表した内容の要約を読んでみましたが、便微生物移植(FMT)を実施した患者グループと、偽薬(だたの食塩水)を投与された患者グループにおいて、それぞれ何人が寛解したのか、また統計学的計算の結果数値はいくらだったのかというデータ等が全く書かれていませんでした。ひょっとすると発表会場においてスライドで公表されただけかも知れません。要約とは言え、もうちょっと詳しい数字を載せて欲しいと思います。 同じ研究チームが同じ学会の違う発表時間枠で、その臨床試験における患者の腸内細菌のbefore and afterを発表しています。FMTを実施して効果があった患者の腸内細菌叢においては、FMT実施後にフソバクテリウム属の数が減少していることが観察されたそうです。やはりフソバクテリウムは潰瘍性大腸炎の発症に何らかの関係がある可能性が高いようです。
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TY
at 2014-09-15 00:20
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草はみ様
いつも拝見させていただいております。 最新の医療情報が分かりやすく解説させており、大変お世話になっております。 私は幼少期に発症したPSC(原発性硬化性胆管炎)の合併症でUCを発症しました。 (PSCのために、2度脳死肝移植を受けました) 現在、サラゾピリン2,000mg/日で軟便ではありますが治まっています。 ただ、サラゾピリンの副作用として精子減少があるため、漢方薬でなんとかならないかと漢方医に相談に行ったところ、止血作用の点から田七人参を薦められました。 (ペンタサ、アサコールでは全く効果がありませんでした) ネットで調べると、確かに田七人参には止血作用があり、潰瘍性大腸炎が治まったという方も散見されます。 つきましては、もし潰瘍性大腸炎に対する田七人参の作用について、何か知見をお持ちでしたら、ご教示いただけますでしょうか。 宜しくお願い申し上げます。
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草はみ
at 2014-09-16 21:42
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TYさん
いつもこのブログを読んでくださりありがとうございます。 まず中国の古い薬学書に当たってみますと、16世紀末、明時代、万暦年間に出版された『本草綱目』に、『瀕湖集簡方』からの引用として、 「赤痢、血を含んだ下痢には、三七(≒田七人参)15グラムを粉末にし、米のとぎ汁に混ぜて服用すれば、すぐに治ゆする。大腸からの下血には、三七を5から10グラム粉末にし、薄い白酒(しろざけ)に混ぜて服用すれば、3回の服用で治ゆする。三七2.5グラムを四物湯に入れても良い。」 とあります。 現代の中国語論文をキーワード「三七 潰瘍性結腸炎」で検索してみますと、三七を含む複数の生薬を組み合わせて煎じた液を保留浣腸(=注腸)して効果があったという論文がたくさんあるようです。ただ、三七だけを単独で服用したという論文には行き当たりませんでした。三七単独服用は動物実験なら幾つか論文があるようで、効果があった、なかった、両方の論文があるようです。 英語で書かれた論文をキーワード「panax notoginseng colitis」で検索してみますと、動物実験で三七の抽出液の効果が認められたという論文が1つ見当たりました。 (次のコメントへ続く)
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草はみ
at 2014-09-16 21:42
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三七は比較的副作用が少なくて軽いようですが、TYさんの場合は万が一でも肝臓に副作用が出るという事態は避けなければいけないと思います。中国語の情報には、
◇妊婦は使用してはいけない。または慎重に使用する。 ◇血液の生産を損なうので、「お血」(=毛細血管における血液のとどこおり)がない患者に使用してはいけない。 ◇貧血の患者、血が熱を帯びて行動がおかしい状態の患者には使用してはいけない。 ◇1日に3から5グラム以上は服用してはいけない。 ◇免疫力を高める作用があるので、10歳以下の患者は長期に服用してはいけない。 ◇三七を服用している間はエビ類を食べてはいけない。 ◇三七は高価な生薬なので、偽物がたくさん出回っており、注意する。 などの注意事項がみられるのですが、それらそれぞれの信用度および重要度はちょっと良くは分かりませんでした。「血液の生産を損なうので」とありますが、一方で多くの文献には「血液の新生を助ける」とあり、どちらが正しいのかは、短時間の情報収集では分かりませんでした。 いずれにしろ、優秀な漢方医と相談して服用してみるかどうかを決めたほうがいいと思います。
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TY
at 2014-09-22 01:57
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草はみ様
ご多用中、詳細な情報をご教示いただき、誠にありがとうございました。 中国の文献まで当たっていただき、感謝の気持ちと共に、お手数をおかけして心苦しく思います。 お調べいただいた内容を拝見すると、 ゼロではありませんが、潰瘍性大腸炎に対する効能は微妙なところですね。 「免疫力を高める」という効能も、免疫抑制剤を服用している私としては、心配なところです。 (漢方で言うところの「免疫力を高める」が、免疫抑制剤の作用機序に影響するのかどうかは分かりませんが) 草はみ様の仰る通り、主治医、漢方医双方によく相談して、服用を決めたいと思います。 これからも本ブログの継続をどうぞ宜しくお願い申し上げます。 ありがとうございました。
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草はみ
at 2014-09-22 22:19
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TYさん
>ゼロではありませんが、潰瘍性大腸炎に対する効能は微妙なところですね。 動物実験では今のところ微妙な印象ですが、中国の古典文献には血便にかなり効くような事が書かれています。私は7月から再燃中で、更に新しい特効生薬を探す実験をするために、青黛を使わずにわざと悪化するのを待っている状態です。ちょうどいいタイミングですので三七(田七人参)の粉末を試してみようかなとも思っています。ただちょっとお値段が (;^^) >「免疫力を高める」という効能も、免疫抑制剤を服用している私としては、心配なところです。 三七(田七人参)はかなり前からどこの薬局でも健康食品として見かけますので、免疫抑制剤に対して悪影響がもしあるのならば、臓器移植の専門医のところに情報があがっていると思います。次に臓器移植の専門医の診察がある時に、「ダメな食品の一覧に田七人参は入っていますか?」と質問されてもいいかも知れません。 >(漢方で言うところの「免疫力を高める」が、免疫抑制剤の作用機序に影響するのかどうかは分かりませんが) 私もそう思います。 >これからも本ブログの継続を なんとかがんばって行きたいと思います。
『小児潰瘍性大腸炎患者に対する糞便移植と腸内細菌に関する研究』 国立成育医療研究センター 器官病態系内科部 消化器科 の臨床試験登録が2015/10/28付けでありました。
https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&recptno=R000022583&type=summary&language=J この器官病態系内科部消化器科は、日本では数少ない小児の消化器疾患専門の診療科のようです。
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草はみ
at 2015-11-02 00:04
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mstnさん
情報をありがとうございます。 いただいた情報をこの上の記事に追記として掲載しました。 小児の患者にはステロイド剤や免疫抑制剤をあまり使いたくはありませんから、この治験に期待したいと思います。
草はみさん、また追加情報です。
糞便移植療法の安全性・有効性・受容性の検討 藤田保健衛生大学病院 https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000023249&language=J
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草はみ
at 2015-12-11 23:31
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mstnさん
更に情報をありがとうございます。 いただいた情報をこの上の記事に追記として掲載しました。 これで中京地区にもこの治療法の治験を実施する病院ができる事になります。
草はみさん、ご無沙汰しております。
下記の2つの文献に簡略的な情報が掲載されていました。無効というのが気になります。 ○ 慶應病院での消化管疾患に対するFecal Microbiota Transplantation臨床試験 金井隆典(慶應義塾大学) http://bifidus-fund.jp/meeting/pdf/20th/sympo1-2.pdf ○ 潰瘍性大腸炎に対する抗菌剤療法併用便移植療法における腸内細菌叢の推移 石川 大(順天堂大学) http://bifidus-fund.jp/meeting/pdf/20th/sympo1-3.pdf 第20回腸内細菌学会 シンポジウム1「糞便移植の可能性を探る」 座長 大草敏史(東京慈恵会医科大学) 岡田信彦(北里大学) http://bifidus-fund.jp/meeting/index.shtml
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草はみ
at 2016-06-28 23:43
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mstnさん
いつも情報をありがとうございます。 >無効というのが気になります。 治験をしている研究チームによって、冷凍の便を使用したり、採取したての生の便を使用したり、また、注入する際の前処置として腸管洗浄剤を飲んだり、抗菌剤を服用して腸内細菌の数を減らしたり、前処置を全くしなかったり、などなど、違いがいろいろありますので、どの技法を採用する事によって高い有効率を得る事ができるか、研究者としての腕の見せ所、競い所だと思います。 現在研究者の間で言われているのは、どうやら有効率が高い便の提供者と、低い提供者がいるようであるという事です。つまり、(価値的に)「金のう●こ」を出す人がいるという事です。有効率を高い提供者をどのようにさがすのか、またその提供者の腸内細菌フローラの特徴は何なのか、早く研究が進めばと思います。 有効率をあげるためにとりあえず今、思い付きますのは、 ◆提供者の便に生理食塩水を加えてミキサーでかくはんする際に、酸素にできるだけ触れないように、ミキサーに窒素を充填する。 ◆逆に、ミキサーに酸素を充填して、嫌気性菌を減らしてから注腸してみる。 (次のコメントへまたぐ)
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草はみ
at 2016-06-28 23:43
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◆便ではなく、提供者の大腸の洗浄液を採取して、すぐに患者に注腸する。提供者に腸管洗浄剤を飲んでもらって中をきれいにしてから、大腸に内視鏡を挿入して、生理食塩水を注入して、大腸粘膜を洗って、洗浄液を内視鏡で回収して、隣で待機している患者にすぐに注腸する。
◆ハイパワーミキサーを使用して、ろ過しなくても内視鏡から注入できるほどに徹底的に便を粉砕する。豆腐作りや新世代インスタントコーヒーの製造で、食物繊維を徹底的に粉砕するミキサーが使用され、おからやコーヒーがらも一緒に摂取する商品が世に出ています。不溶性食物繊維も、徹底的に粉砕すれば水に溶けるようになります。 ◆便の提供者として、完全菜食主義者の便を採用する。 ◆便の提供者として、病院内の産婦人科の新生児の便、つまり「天使の便」を採用する。 ◆ミキサーで便をかくはんする際に、善玉菌のエサ、つまりオリゴ糖などを少し加えてあげる。植物のガーデニングでは、移植をする際には肥料を入れてあげるのが普通である。 こんなのでよろしければ、これらのアイデアはタダで了承なしに皆さんに差し上げますので、ひょっとして研究のお役に立てばと思います。
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