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マウス(=ハツカネズミ)を使った動物実験での結果ですが、腸壁での過剰な免疫反応や炎症反応を抑制する効果を持つ細菌種を、健康な人間の便から17種分離し培養する事に成功したそうです。 日本の理化学研究所、統合生命医科学研究センター、消化管恒常性研究チーム(リーダー:本田 賢也)の研究です。 それら17種の菌を培養して、17種を混合したカクテルを作ってマウスに飲ませてみたところ、 ◆炎症を抑制する役割をしている白血球「Treg細胞」の数が増えた ◆マウスに人工的に起こした腸の炎症が抑制された 事が確認されたそうです。 更に、潰瘍性大腸炎の患者はこれら17種の細菌を腸に持つ度合いが小さいことが確かめられたそうです。ということは、潰瘍性大腸炎やクローン病患者の中には、これらの菌が腸にいないために発症に至っているタイプの人もいるかも知れないという事です。近代的で清潔な環境で育つほど両疾患にかかるリスクが高いという研究結果とも整合します。 今回の研究は、このブログで以前に取り上げました 『健全フローラ注腸療法』 2007-02-09 の内容と非常に深く関連している可能性が高いです。健全フローラ注腸療法では健康な人の便をそのまま注腸していますので心理的抵抗感が大きいですが、今回特定と培養に成功した17種の菌を注腸するのならば抵抗感は小さいです。また、病原菌の混入をほぼ完全に排除できますので、より安全です。更に、今回の細菌17種は全て芽胞(がほう)という防御形態に変身する能力を持っていますので、経口剤、つまり口から飲む治療薬として人間に投与しても、消化液の酸性、アルカリ性、消化酵素に耐えて、生きて人間の腸に達する可能性が高いと予測できます。 今後の研究に注目する価値が充分にあると思います。 ▽▽▽▽▽▽ ここから内容が少し専門的 ▽▽▽▽▽▽ 【今回、炎症を抑制する可能性が発見され、分離、培養された細菌17種】 Clostridium hathewayi Blautia producta Lachnospiraceae 3_1_57FAA Clostridium sp. 14774 Lachnospiraceae 3_1_57FAA Clostridium ramosum Eubacterium fissicatena Clostridium indolis Ruminococcus sp. ID8 Clostridium 7_3_54FAA Clostridium scindens Lachnospiraceae 7_1_58FAA Clostridiales 1_7_47FAA Clostridium bolteae Clostridiaceae JC13 Anaerotruncus colihominis Clostridium asparagiforme 上記17菌種の全ゲノムDNA配列を解析したところ、17菌種すべてがクロストリジウム属菌のサブグループXIV(14)、XVIII(18)、IV(4)に属している事が判ったそうです。という事は、クロストリジウム属菌の中でも、これら3つのサブグループに属する菌だけが持つ特徴が潰瘍性大腸炎の発症に関わっている可能性があるという事です。その特徴とは何なのか、早く突き止めて欲しいと思います。 Clostridium hathewayiは虫垂炎、胆のう炎、肝膿瘍、菌血症などを起こす場合がある事が最近知られるようになった菌です。 Clostridium bolteaeは胃腸症状をともなうタイプの自閉症患者の腸で過剰に繁殖している場合がある事が知られている菌です。自閉症患者の8割前後が胃腸の不調症状をともなっているそうです。このブログで以前に自己免疫疾患に対する寄生虫療法を取り上げましたが、寄生虫療法が自閉症患者の一部にも有効であるという事実も関連情報として取り上げました。(『腸管寄生虫が様々な自己免疫疾患を改善する可能性』 2011-09-23)。このClostridium bolteaeも炎症性腸疾患と自閉症の両方に関係している可能性があるのかも知れません。 Clostridium属には病原菌としての顔と善玉菌としての顔の両方を持っている菌がたくさんいるのかも知れません。という事は、腸管免疫機構によるClostridium属に対する分析が正確で対処が適切であるかどうかが、運命の分かれ目である可能性があるのかも知れません。潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が発症するかしないかの鍵のうちの1本がそこにあるのかも知れません。 Clostridium属のうち、病原菌として知られているものに破傷風菌(Clostridium tetani)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ガス壊疽菌群などがあり、いずれも重篤な感染症を起こします。ほかにクロストリジウム・ディフィシレ (Clostridium difficile)があり、偽膜性大腸炎の原因菌となります。 悪玉菌、つまり病原体ほどではないが腸に悪影響をじわじわ及ぼす菌として知られているものにウエルシュ菌(Clostridium perfringens)などがあります。 善玉菌として知られているものに酪酸産生クロストリジウム菌(Clostridium butyricum)があります。このうち宮入(MIYAIRI)株は善玉菌製剤として広く知られています。そして、今回発見された17種が新たに善玉菌リストに追加される事になるのかも知れません。 今回の研究の詳細は、理化学研究所の関連ページ(下の【情報源】の(2))を参照してください。その分野の研究者しかわからない専門用語をできるだけ使わずに書かれています。末尾の専門用語解説も簡潔でわかりやすいです。 今回の研究チームは以前に、マウスから採取した腸内細菌を無菌マウスに接種する実験を繰り返し、Treg細胞を強力に誘導する性質を持つ腸内細菌はグラム陽性菌であり、それらの中でも芽胞(がほう)を形成する能力を持つ菌であり、更にそれらの中でもクロストリジウム属の菌であることを発見し、論文として発表していたようです。情報源の(8)(9)を参照してください。 そして今回の研究では、健康な人間から採取した腸内細菌を無菌マウスに接種する実験を繰り返して、Treg細胞を強力に誘導する性質を持つ菌を特定し、17種を培養する事に成功したようです。 採取した人間の腸内細菌をクロロフォルムで処理して、生き残った菌のみを研究の対象としたようです。芽胞を形成する能力を持つ菌だけがクロロフォルム処理を生き残る事ができるそうです。次に、生き残った菌をいろいろな組み合わせで無菌マウスに飲ませ、Treg細胞の値が高くなったマウスだけを選択して、腸内容物を採取して希釈してまた別の無菌マウスに飲ませるという事を何度も繰り返して、候補を絞っていったようです。最終的に23種の菌が選出されたようですが、そのうち分離、純粋培養に成功したのは17種だけだったようです。それら17種の混合物を作成して無菌マウスに飲ませてみたところ、強いTreg誘導能力が確かめられたそうです。 今回実験に使用された健康なヒトの便のサンプルは31歳男性の日本人から採取したそうです。腸内細菌のクロロフォルム処理は3パーセントの濃度で1時間行なったそうです。マウスへの投与は注腸ではなく胃内投与で実施したそうです。という事は、将来治療薬として人間に投与する場合、経口投与で効果を期待できるという事を意味します。注腸よりもはるかに心理的抵抗感が低くなります。 クロロホルム処理を生き残ったヒト腸内細菌を飲ませて強いTreg誘導能力を持つようになったマウスの特殊な腸内細菌叢(フローラ)が、ほかのマウスと一緒に飼う事によって、ほかのマウスに移る事が確かめられたそうです。 ◇無菌マウス ◇無菌マウスにクロロホルム処理したヒト腸内細菌を接種したマウス を同じカゴで4週間飼ったところ、無菌マウスにおいてTreg細胞の割合が増えている事が確認されたそうです。また、クロロホルム処理したヒト腸内細菌を接種した無菌マウスは、その子孫においてもTreg細胞の増加が確認されたそうです。 クロロホルム処理したヒト腸内細菌を飲ませて強いTreg誘導能力を持つようになったマウスから便を採取して、2万倍に希釈して別の無菌マウスに飲ませてみたところ、飲ませた無菌マウスでTreg細胞の増加が確認されたそうです。さらにそのマウスの便を2万倍に希釈して別の無菌マウスに飲ませたところ、やはりTreg細胞の数が増えている事が確認されたそうです。クロロホルム処理に生き残った細菌叢は、マウスの腸においては、安定かつ着実に代々生きていけるようです。つまり、「潰瘍性大腸炎になりにくい体質」があたかも遺伝しているかのように子孫に伝えられていく可能性があるという事です。人間においてはこれらの菌の代々受け継ぎはどうようであるのか、非常に興味があります。 今回発見された17種の菌は、マウス(=ハツカネズミ)だけでなく無菌ラット(=ドブネズミ)においてもTreg誘導能力が観察されたそうです。 今回発見された17種の菌は、腸内容物の短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸など)の濃度を高めることが、ヒトやマウスの腸管上皮細胞を用いた実験で観察されたそうで、この事がTGF-beta1(形質転換増殖因子)の誘導、更にはTreg細胞の誘導に関係しているのではなかいと、今回の研究チームは現在のところ推測しているようです。 今回発見された17種の菌の遺伝子を解析したところ、コラーゲナーゼやホスホリパーゼCといった強い毒性を示す酵素の遺伝子が全ての菌において検出されなかったそうです。それら酵素は病原性クロストリジウム菌においてはよく見られる遺伝子だそうです。 以前にEUで実施されたMetaHitプロジェクトで得られたヒト腸内細菌の遺伝子データと、今回得られた17種の細菌の遺伝子データをつき合わせてみたところ、潰瘍性大腸炎患者においては17種の菌が少ないという傾向が観察されたそうです。17種のうちの特に次の5種は著しく減少していたそうです。 Clostridium sp. 14774 Clostridium hathewayi Clostridium asparagiforme Eubacterium fissicatena Lachnospiraceae 3_1_57FAA 今回発見された17種の細菌を培養して17種混合カクテルを作成して、特定病原体不在(SPF)マウスに3週間飲ませてみたところ、Treg細胞の増加が観察されたそうです。また、人工的に誘発させたアレルギー性の下痢が、17種カクテルを飲ませたマウスでは軽かった事が観察されたそうです。 トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を投与する事によって人工的に腸炎を発症させたSPFマウスに今回の17種細菌を投与してみたところ、腸の縮短の軽減、組織学的所見の改善、死亡率の低減が観察されたそうです。 【情報源】 1)Treg induction by a rationally selected mixture of Clostridia strains from the human microbiota. Koji Atarashi, Takeshi Tanoue, Kenshiro Oshima, Wataru Suda, Yuji Nagano, Hiroyoshi Nishikawa, Shinji Fukuda, Takuro Saito, Seiko Narushima, Koji Hase, Sangwan Kim, Joëlle V. Fritz, Paul Wilmes, Satoshi Ueha, Kouji Matsushima, Hiroshi Ohno, Bernat Olle, Shimon Sakaguchi, Tadatsugu Taniguchi, Hidetoshi Morita, Masahira Hattori & Kenya Honda Nature (2013) doi:10.1038/nature12331 Received 14 September 2012 Accepted 22 May 2013 Published online 10 July 2013 <論文要約 Nature> <論文要約 Pub-med> (英語) ↑今回発表された研究の論文 2)制御性T細胞を誘導するヒトの腸内細菌の同定と培養に成功 -炎症性腸疾患やアレルギー症に効果- (日本語) 東京大学大学院 新領域創成科学研究科 メディア発表 投稿日: 2013/07/11 ↑今回の研究チームが出したメディア発表。情報源(1)の論文の内容をわかりやすく解説したもの。 3)腸炎抑える細菌を特定 東大など、治療・予防に可能性 (日本語) 日本経済新聞 2013/7/11 14:11 4)炎症防ぐ腸内細菌を特定 投与で治療の可能性も (日本語) 47NEWS(よんななニュース) 2013/07/11 02:00 【共同通信】 5)A Living Drug Cocktail (英語) by Carl Zimmer National Geographic 10/Jul/2013 6)Gut Microbes Treat Illness. Oral administration of a cocktail of bacteria derived from the human gut reduces colitis and allergy-invoked diarrhea in mice. (英語) By Chris Palmer July 10, 2013 | The Scientist Magazine 7)Pioneering Study Describes Rationally Designed Drug Candidate Derived From the Human Microbiota (英語) Nature Paper by Team at RIKEN and Vedanta Shows Efficacy of Candidate in Autoimmune Diseases July 10, 2013 /PRNewswire/ 8)Induction of colonic regulatory T cells by indigenous Clostridium species. Atarashi K, Tanoue T, Shima T, Imaoka A, Kuwahara T, Momose Y, Cheng G, Yamasaki S, Saito T, Ohba Y, Taniguchi T, Takeda K, Hori S, Ivanov II, Umesaki Y, Itoh K, Honda K. Science. 2011 Jan 21;331(6015):337-41. doi: 10.1126/science.1198469. Epub 2010 Dec 23. <論文要約> (英語) ↑今回の研究チームが以前に発表した論文。この研究で、芽胞(がほう)を形成する性質を持つ菌であるクロストリディウム属菌が、炎症を抑制する仕事をしている白血球Treg(regulatory T-cell)の増殖を促すことを、マウスを使って見出していたようです。 9)免疫を抑制する細胞を増やす腸内細菌を発見-炎症性腸疾患やアレルギー疾患の予防・治療への新たな可能性- ↑今回の研究チームが以前に出したメディア発表。情報源(8)の論文の概要をわかりやすく解説したもの。 10)A vaccine and diagnostic target for Clostridium bolteae, an autism-associated bacterium. Pequegnat B, Sagermann M, Valliani M, Toh M, Chow H, Allen-Vercoe E, Monteiro MA. Vaccine. 2013 Jun 10;31(26):2787-90. doi: 10.1016/j.vaccine.2013.04.018. Epub 2013 Apr 18. <論文要約> (英語) 11)Una combinación de 17 bacterias podría reducir desequilibrios intestinales (スペイン語) Caracol Radio | Agencia EFE | Julio 11 de 2013 12)NHK サイエンスZERO 「シリーズ細胞の世界(2) 腸内細菌と免疫の不思議な関係」 (日本語) ↑NHKの科学番組の2011年5月28日にオンエアされた回ですが、今回の研究内容と非常に関連が深い内容です。残念ながらこの回はNHKオンデマンド(=過去放送の有料ネット配信)のラインアップに入っていないようです。この回のタイトルをキーワードとしてネット上を検索してみましたら、無料で視聴できる状態の動画があったのですが、多分著作権的に問題があるアップロードでしたので、URLは伏せておきます。
by pascor
| 2013-07-11 23:40
| 両疾患共通
|
Comments(12)
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9猫飼い
at 2013-09-10 11:45
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草はみさん こんにちわ!
こ、これは素晴らしいニュースのような 以前から研究されていて、 今回17種を特定できたということですね この前、TVで皮膚ダニのことをやっていて 頭皮の毛穴には平均2~3匹生息しているということで ギョエ~ って思ったんですが これはもう昔からの共生関係らしくて それはそれで良いそうです(でもちょっとキモイです) 考えてみれば腸内細菌も微生物なんで。。。 正直微妙です(深く考えないことにしますw)
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草はみ
at 2013-09-11 23:07
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9猫飼いさん、お久しぶりです。
皮膚ダニ(顔ダニ)は人間と共生関係にあるという説が確かにあります。顔や頭にある毛穴や皮脂腺は、皮脂の分泌が特に多いために詰まりやすいそうなのですが、顔ダニが皮脂を食べることによって通りを良くしているという説や、顔ダニが皮脂を食べて酸性物質を産生する事によって皮膚にとって良い条件である弱酸性に皮膚を保っているという説などがあるようです。 >でもちょっとキモイです サンゴの海でイソギンチャクにクマノミが共生しているイメージでも頭の中に描いてゴマかす事にしましょう。 (^^;)
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ホシノ
at 2013-09-21 13:40
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草はみさん、こんにちわ。
随分以前に投稿していたCDのホシノと言います。 実は、つい先日退院したばかりです。 消化の悪い食事をしたら、腸閉塞から腸が裂けてしまい、緊急入院で手術をしました。なんとか命は助かりましたが、以前の手術と合わせて、小腸が随分と短くなっているようで、もう悪化はさせられない状態です。 しかし、この腸内細菌の記事はすごいですね。希望が持てます。 なので、つい研究者のリーダーの方に、これらの腸内細菌を摂取する方法はないかとメールを送ってしまったのですが、返事は返って来ません。そう簡単には返事はいただけないのでしょうね。 ですが、ここまで分かっているのですから、なんとかこれらの菌を摂取する方法無いものでしょうか? 最近、「土壌菌」なるものを知って、商品として「マメビオ」なるものを知りました。購入はしましたが、まだ試してはいないです。
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ホシノ
at 2013-09-22 14:36
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草はみさん、こんにちわ。
続けてコメントをすることをお許し下さい。 先ほどネット内を調べていましたら、新しいIBDのためのサプリメントを発見しました。 http://www.immuno-balance.jp/index.html 「イムノバランス」というのだそうですが、なんだか今までにはない、アプローチのサプリメントなので、興味深々です。 草はみさんとしては、このサプリの内容いかがでしょうか?
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草はみ
at 2013-09-22 15:07
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ホシノさん、おひさしぶりです。
腸穿孔を起こされたという事ですごく大変だったと思います。 評価が高い研究発表をした場合、患者からだけでなく、世界中の研究者や医療関連企業から問い合わせが殺到する事があって、研究チームで手分けしてさばいても到底間に合わないという事があるかも知れません。 記事でもとりあげましたが、健全フローラ注腸療法、海外ではfecal microbial transplantation (FMT、便微生物移植)と呼ばれていますが、この研究が現在急に盛んになって来ており、世界最大のIBD患者団体、アメリカのCCFAも最近コメントを出していまして、有望性に期待を持っており、研究をサポートしていく事を方針として7月に発表しています。今までに800万ドル(約8億円)の資金援助を行っているそうです。 http://www.ccfa.org/news/fecal-bacterial-microbial.html つまりこれからアメリカにおいてFMTの治験が盛んに行われる可能性が高いという事になりますが、日本においても行われるようになればと期待します。 土壌菌由来のBF4菌群につきましては、資料があまり公開されていませんので何とも言えません。
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草はみ
at 2013-09-22 15:37
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ホシノさん
イムノバランスは、成分としては健康食品としてよく製品化されている当たり障りのないものばかりが配合されているようですが、1つだけ、ケイ素(silicon)がどのような形で配合されているのかが不明です。まさか石を粉にして配合しているというような事はないとは思いますが、粒子の大きさにもよるようですが、石の粉は腸管の免疫を刺激してしまう事が知られています。
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ホシノ
at 2013-09-22 15:39
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ご返事ありがとうございます。
腸内細菌の研究が世界的にも盛んになって来ているのですね。 他力になってしまいますが、患者の身としては、早く研究結果を享受したいですね。 「土壌菌」はBF4菌郡と言うのですね、細菌の研究をしている藤田紘一郎さんが摂取しているので、興味を持った次第です。 ところで、この腸内細菌ですが、抗生剤などを使用すると、腸内の菌が死んでしまうと聞きました。IBD患者が服用する抗炎症剤のペンタサなどは、これまた腸内の細菌を死滅させてしまう可能性はないのでしょうか? また自分は漢方も試して行こうと思っているのですが、漢方治療(例えば青袋)とレミケードの併用などは、漢方の効果に弊害があるのでしょうか?(今回の入院でレミケード使用をよぎ無くなりました…) 色々質問させていただき申し訳ありません。 退院直後はなんだか不安になるもので…。
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ホシノ
at 2013-09-22 15:47
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「イムノバランス」についてもご回答ありがとうございます。
なんだか良さそうな製品があると、ポッと飛びついてしまうもので…。 消費者も賢くある必要があるのでしょうが、確かな知識もなく、信頼性の低い情報を鵜呑みにしてしまったりと、…反省です。
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草はみ
at 2013-09-23 23:39
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ホシノさん
>抗生剤などを使用すると、腸内の菌が死んでしまうと聞きました。IBD患者が服用する抗炎症剤のペンタサなどは、これまた腸内の細菌を死滅させてしまう可能性はないのでしょうか? 実は、その可能性はあると思います。サラゾスルファピリジン(サラゾピリンなど)やメサラジン(ペンタサ、アサコールなど)は抗菌剤としての性質も備えています。ただし、殺菌力はかなり弱いほうだと思います。全腸内細菌の完全な死滅という事はあり得ないです。 確かに、それらの薬は腸内の悪玉菌だけでなく善玉菌のヴァリエーションや菌数も減らしてしまっている可能性が無いとは言えないと思います。 しかし、だからといって、それらの薬の使用をやめるのは、再燃や発癌のリスクを高めてしまうと思います。最新の研究内容ですが、癌幹細胞(がんかんさいぼう)という、癌の種となる細胞が発見されまして、サラゾスルファピリジンにその癌幹細胞をやっつける能力がある事が分かったそうです。今後の研究の進展によっては、発見者は医学史上最大の栄誉を得る可能性があります。 (次のコメントへまたぐ)
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草はみ
at 2013-09-23 23:39
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>また自分は漢方も試して行こうと思っているのですが、漢方治療(例えば青袋)とレミケードの併用などは、漢方の効果に弊害があるのでしょうか?(今回の入院でレミケード使用をよぎ無くなりました…)
そのあたりに対する回答は実は難しいです。ある程度の見解を回答するためには、海外も含め年に20回くらい学会やセミナーに出席して最新の情報を集めないといけないと思います。金銭的にまず無理です。500万円くらいかかってもおかしくないと思います。 大建中湯(だいけんちゅうとう)とレミケードを併用しているクローン病患者は少なくはないと思いますが、今のところ悪い相互作用があるという情報は見かけません。 青黛につきましては、クローン病患者で使用した経験がある人は潰瘍性大腸炎に比べてかなり少ないですので、ほかの治療薬とどのような相互作用があるのかという事がほとんどわかっていないと言ってもいいと思います。
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ホシノ
at 2013-09-24 14:48
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草はみさん
ご返事ありがとうございます。 ペンタサが菌数を減らしてしまう可能性が無きにしもあらずですか。 現在はレミケードを使用しているので、ペンタサは服用していないのですが、せっかく食事に気を付けて、腸内環境の改善に努めているのに、それが薬の服用で無意味になったら悲しいですよね。医師には説明されない薬のこういった影響を知っていたいですよね。
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ホシノ
at 2013-09-24 14:49
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現在、漢方は漢方外来にかかり、「胃風湯」という漢方を処方して貰っています。しかもツムラなどのエキスでは無く、生薬で処方していただきました。後で昌平クリニックのHPを見ましたら、この「胃風湯」に「青袋」を加えた物をIBDの患者に処方することもあるとのこと。
今回、この漢方外来には初めて行ったので、医師の方の言われるままに漢方を出して貰いましたが、慣れてきたら「青袋」のことを話てみて、検討して頂こうかと考えています。 ですが、今回「胃風湯」を飲んで見て、翌日には便の回数が減りました。「生薬」の効きは、エキスとはかなりの違いがあると感じています。
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